乗り物
2018/1/21 18:00

相鉄線、悲願の新駅と新型車を公開! 陸の孤島・羽沢駅はどれぐらい便利になる?

神奈川県内に、相鉄本線といずみ野線の2路線を走らせる相模鉄道(以下、相鉄と略)。横浜市の中心部とベッドタウンを結ぶ路線ということもあって利用者は多く、朝のラッシュ時には、相鉄本線の二俣川駅~横浜駅間では、ほぼ2分間隔で8~10両編成の電車を走らせている。

 

そんな相鉄だが、関東地方の大手私鉄のうち唯一、他社路線と相互乗り入れをしない鉄道会社でもあった。

 

相鉄にとって、神奈川県内を走る路線から、東京都心へ自社の直通電車を走らせることは、長年の悲願でもあった。そんな相鉄が2019年度下期にいよいよ相鉄・JR直通線を完成させ、他社線への乗り入れを開始する。このほど乗り入れにあわせて造られた新型車と、新線に誕生する新しい駅が公開された。

 

鉄道が通るのに駅が無い!そんな“陸の孤島”に光明が

2019年度の下期に開通予定の相鉄・JR直通線の途中に新駅が誕生する。駅の名は羽沢横浜国大駅(はざわよこはまこくだいえき)に決まった。造られるのは横浜市神奈川区羽沢という地区。この羽沢地区だが、地図を見ていただくとわかる通り、元々、JRの東海道貨物線と東海道新幹線が地区を通っている。

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↑新しく誕生する羽沢横浜国大駅付近の周辺図。東海道貨物線と東海道新幹線が通る地区でありながら旅客駅は無く、最寄りの駅は、みな2km以上も離れていた

 

だが、両線とも羽沢に旅客駅が無い。JR横浜羽沢駅はコンテナの積み降しを行う貨物専用駅で、東海道貨物線を湘南ライナーなど一部の旅客列車が通るが、旅客向け施設が無いため停車しない。東海道新幹線の最寄りの新横浜駅は羽沢から4kmほど離れている。付近の住民は目の前を電車や新幹線が通るにも関わらず、まったく縁が無かったのである。

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↑JR横浜羽沢駅は、東海道本線のバイパス線として造られた東海道貨物線の中間地点に1979(昭和54)年に誕生した。広大な屋根を持つ貨物ホームが駅の中心にある

 

鉄道が走りながら利用できないというのは歯がゆいばかり。しかも、最寄りの旅客駅はいずれも2km以上と遠く、毎日歩くのはつらい。したがって羽沢地区の人たちはバスを利用して横浜駅や保土ケ谷駅へ出ざるをえない。そんな“陸の孤島”エリアでもあった羽沢に新駅が誕生するというわけだ。JR横浜羽沢駅に隣接して新駅の建物が現在、建てられつつある。進捗状況を見てみよう。

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↑JR横浜羽沢駅に隣接して新しい羽沢横浜国大駅は誕生する。写真左側は新駅の機械棟、右側が貨物専用駅のJR横浜羽沢駅の構内。貨物駅上に架かる歩道橋からの撮影

 

2019年度下期に誕生する新線は全線がほぼ地下路線。そのため新しい羽沢横浜国大駅は駅入口こそ地上にあるが、駅ホームは地下2階部分となる。現在、まだ駅の建物や、エスカレーターやエレベーターなど設置工事中で、公開時は仮の階段で地下2階のホームまで下りた。

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↑新駅・羽沢横浜国大駅の入口棟。外壁はレンガ色のタイルで落ち着いた装いになりそう

 

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↑入口棟から2階ほど下りた地下にホームが設置される。現在は、工事用に仮の階段が設置されていた

 

相鉄・JR直通線は相鉄の西谷駅(にしやえき)から分岐して、新駅の羽沢横浜国大駅までは地下トンネルで結ばれる。駅のホームはすでに形を現し、相鉄本線側からの線路も敷かれていた。現在は、内装工事と、新駅から先のJR直通線と東急直通線それぞれのトンネル工事が中心に進められている。

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↑羽沢横浜国大駅のホーム階の工事の現状。すでに上下ホームはできあがり、線路も敷かれていた。写真はホーム中央部から西谷駅側を見たところ

 

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↑駅から見た西谷駅側のトンネル入口。円形のトンネルで、すでにトンネル内部は完成、線路も敷かれ、架線工事が進められていた

 

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↑新横浜駅側の工事の進捗状況。こちら側にJR東海道貨物線との連絡線が設けられる。相鉄・東急連絡線はその先、東急綱島駅の先で東急東横線と接続の予定

 

外観も車内も工夫が満載! 濃紺色に塗られた新型20000系電車

今回、公開されたのは新型20000系電車。「YOKOHAMA NAVYBLUE(ヨコハマネイビーブルー)」と名付けられた濃紺色塗装に加えて、これまでの電車とはちょっと異なるユニークな顔立ちをしている。

 

この電車、相鉄・JR連絡線とともに工事が進む相鉄・東急連絡線(2022年度開業予定)用の車両で、東急電鉄の車両の規格に合わせられ造られている。

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↑新型20000系の前に立つ滝澤秀之社長と相鉄のキャラクターそうにゃん。滝澤社長は「相鉄の電車に待ってでも乗りたい」と思ってもらえる車両を目指したと語る

 

2017年12月に創立100周年を迎えた相鉄。「デザインブランドアッププロジェクト」に取り組み始めた。その一貫として行われたのが、車体色の変更。従来から走る9000系の車両色をヨコハマネイビーブルーと呼ぶ濃紺色に変更し、さらに新車の20000系も同じ濃紺とした。9000系は2016年度のグッドデザイン賞を受賞するなど、デザインの世界では評価が高い車体カラーともなった。

 

滝澤秀之社長は、「20000系の顔かたちは日本古来の能面を意識しています。相模鉄道は残念ながら知名度が低いのが現状。車体色とともに、特徴のある顔かたちの車両でアピールできれば」と話す。都心まで走る車両ということで、そうした相鉄の思いが込められた車両なのだ。

 

さらに車内も、さまざまなところに新車らしい工夫が取り入れられている。写真で見ていこう。

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↑ロングシートは汚れの目立たない生地を使用。LED照明は時間帯で光の色が変化する。乗降ドア側と座席の境に設けられた強化ガラス製の仕切り板の大きさが目立つ

 

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↑一部の優先席にはユニーバーサルデザインシートが導入された。立ったり座ったりしやすいように座面はやや高め、背もたれが立ちぎみになっている

 

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↑天井の中央部は高め。吊り革はつかむ輪の形が楕円になっている。2016年度のグッドデザイン賞にも輝いた形状だ。新車には空気清浄機も取り付けられる

 

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↑貫通路のトビラはあまり力をかけずに開け閉めできる。取っ手の部分に磁石が付き、しっかりと閉まるように工夫された

 

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↑それぞれの乗降ドアにドアスイッチが付く。空調効果を高めるため、駅に停車中、乗客自らがドアを開け閉めすることが可能となった

 

20000系電車は2018年2月11日に営業運転を開始の予定だ。いまのところ10両1編成のみだが、2009年以来の新型車ということで注目が集まりそうだ。

 

直通線が開通すれば都心が圧倒的に近くなる!

2019年度下期の開業はJR東海道貨物線との直通線のみだが、2022年度には東急東横線との直通線も開業の予定だ。相鉄・東急直通線は東急・綱島駅の北側で東急東横線の線路と接続するが、この線が開業すると、その1つ先の日吉駅で、東急目黒線との乗り入れも可能になる。

 

まだ相互乗り入れの具体的な運転計画は発表されていないが、相鉄と東急目黒線が直接、乗り入れるようになれば、二俣川駅~目黒駅間の所要時間が、現在54分かかるのに対して予想到達時間は38分と16分も短縮される。また、JRへの直通電車に乗れば、二俣川駅~新宿駅間の現行59分が、44分と15分も短縮される。

 

現在、各鉄道会社は沿線人口の減少という問題に直面しつつある。相鉄もそうした状況は同じだ。JRや東急との直通線が開業することによる所要時間の圧倒的短縮は、やはり沿線の人たちにとっては、ありがたいニュースであり、また住宅地開発をするうえでの格好の材料となるだろう。

 

将来の変化を読んで策を講じてきた相鉄の思いが花開く日が近いのかも知れない。

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