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2018/3/12 21:13

まもなく実施されるJR各社の「ダイヤ改正」、今年は何がどう変わる?

3月17日(土曜日)にJR各社のダイヤ改正が行われる。この春は新路線の開通といった華々しい話題はないものの、各社の変更点を見ていくと、時代の変化を感じざるをえない。旅客各社のダイヤ改正で目立った変更ポイントをチェックした。

 

【JR北海道】国鉄型キハ183系が走る路線がわずかに

まずはJR北海道のダイヤ改正で目立つポイントから。

 

長年、函館駅と札幌駅を結んできた特急「北斗」が消え、すべての列車が特急「スーパー北斗」となる。車両がキハ183系から、すべてキハ281系とキハ261系に変更されるのだ。この車両変更によって、若干の所要時間の短縮(既存列車から0〜9分の短縮)と乗り心地の改善が図られる。

 

この改正以降、キハ183系は道南から撤退、定期運用される列車は、石北本線を走る特急「オホーツク」と特急「大雪」のみとなる。特急「北斗」にはキハ183系のなかでも唯一のハイデッカー仕様のグリーン車が連結されていたが、この車両も消えることになりそうだ。長年、北海道の特急運用を支えてきたキハ183系の撤退だけに、一抹の寂しさを覚える。

↑増備が続くキハ261系が内浦湾沿いを走る。キハ261系は「スーパー北斗」だけでなく、「スーパーとかち」や「宗谷」「サロベツ」にも使われている

 

↑キハ183系「北斗」。中間にハイデッカータイプのグリーン車を連結する。同車両の製造技術はその後の特急トワイライトエクスプレス用の客車改造にも生かされた

 

さらにこの3月には、スラントノーズの名で親しまれてきたキハ183系の初期型車両が消えていく。車体に動物のイラスト、車内に動物をテーマにした遊び場が設けられていたキハ183系「旭山動物園号」。3月25日にラストランを迎える。

↑キハ183系「旭川動物園号」。写真は特急「フラノラベンダーエクスプレス」として運転されたときのもの。貴重なスラントノーズを持つキハ183系の初期形車両だった

 

【JR東日本】中央本線の特急と臨時列車に大きな変化が

JR東日本の管内で、より変化が大きいのが中央本線だ。

 

特急「スーパーあずさ」に使われるすべての車両が新型のE353系に変更される。これまで使われてきたE351系は、廃車となる予定。JR東日本の車両形式として「E」を初めて付けたE351系だが、登場して25年という期間での消滅となる。E351系はJR東日本で唯一の制御付き自然振子装置を備えた車両だった。整備の手間がかかるということで嫌われたのかもしれない。

↑すでに2017年12月から走り始めているE353系「スーパーあずさ」。今後は、増備され257系の特急「あずさ」や「かいじ」もE353系に置き換わるとされる

 

↑E351系は制御付き自然振り子装置を活かし、カーブを高速で走り抜けた。3月17日以降は、この姿を見ることができなくなる

 

昨年の暮れ、JR東日本がダイヤ改正を発表した際には明らかにされなかったが、長年、中央本線の臨時列車として使われてきた国鉄形特急電車189系の2編成(M51・M52編成)も4月末までに引退することになった。

 

残る189系は長野支社に配属されるN102編成のみで、こちらもあと数年で引退となりそうだ。国鉄形特急電車の姿を色濃く残した車両だけに、鉄道ファンから引退を惜しむ声があがっている。

↑「グレードアップあずさ色」と呼ばれる塗装で親しまれた189系M52編成。主に中央本線の臨時列車として活躍した。今後、中央本線の臨時列車の多くはE257系となる予定だ
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