乗り物
鉄道
2018/3/12 21:13

まもなく実施されるJR各社の「ダイヤ改正」、今年は何がどう変わる?

【JR東海】「あさぎり」という特急名が「ふじさん」に

小田急電鉄の車両が当時の国鉄御殿場線に乗り入れることで始まった列車名の「あさぎり」。愛称は富士山麓の朝霧高原にちなんで名付けられた。

 

60年近くにわたり走り続けてきた小田急本線から御殿場線への乗り入れ列車だったが、この春から「ふじさん」という特急名に変更される。世界文化遺産に登録された富士山は、海外の人たちへもその名が知れ渡る。この名称変更も、やはり時代の波なのかもしれない。

↑JR東海と小田急電鉄が共同運行してきた特急「あさぎり」。車両には小田急のMSE(60000形)が使われる。3月17日からは特急「ふじさん」に改められる

 

JR東海では、ほかに注目されるのが特急「(ワイドビュー)ひだ」の名古屋駅の発車時間。午後の名古屋駅発の下り列車は、ほぼ2時間間隔となり、最終は20時18分と遅い発車となる。東京駅発18時30分の「のぞみ」に乗車すれば、乗り継げる時間に設定。このあたり、飛騨高山の人気と、海外からの利用者が多いことへの調整と思われる。

 

【JR西日本】国鉄形通勤電車の運用を最新タイプに変更

JR西日本では上り特急「こうのとり」を1時間間隔で運行、また18時台に新大阪駅発の和歌山駅行き、下り特急「くろしお」を増発させるといったビジネス利用を考慮したダイヤ変更を行っている。

 

一方で、鉄道好きには気になる車両の動きも。阪和線では、ごく一部に通勤形電車205系が使われてきたが、こちらが消える予定。さらに阪和線の支線、羽衣線の103系も車両変更される予定だ。

 

国鉄形車両の宝庫であったJR西日本も、徐々にJRになってから生まれた車両が多くなりつつある。阪和線を走っていた205系は奈良線などに移る見込みで、103系は残念ながら廃車ということになりそうだ。

↑JR西日本の225系。阪和線では今後、この新製車両の割合が増えていく

 

↑JR西日本では貴重な存在だった阪和線の205系。ダイヤ改正後は吹田総合車両所奈良支所などに転属する見込み

 

↑阪和線の支線・羽衣線を走る103系。国鉄当時の面影を色濃く残す車両として鉄道ファンに人気がある

 

JR西日本の路線のうち話題を呼んだのが三江線(さんこうせん)。ダイヤ改正後の3月31日に廃線となり、43年にわたる歴史を閉じる。利用者の減少という地方のローカル線が抱える問題が如実に現れた三江線の廃止。第2、第3の三江線が出ないことを祈りたい。

 

ちなみに現在、発売中の「時刻表」誌3月号には、三江線の時刻が掲載されている。三江線のダイヤが掲載された最後の「時刻表」誌となるのかもしれない。

↑天空の駅として人気の三江線・宇都井駅(うづいえき)。廃線が決まったあとは、その姿を一目見ようと多くの人たちが沿線へ訪れている
  1. 1
  2. 2
  3. 3