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2018/3/25 20:00

設置が進む「ホームドア」最前線――期待の新型と今後の問題

こんなホームドアもある! 走る車両に合わせて形もいろいろ

ホームドアの基本的な形とは異なる形、または設置方法を用いた駅もある。そんな通常とは異なるのホームドアの例を見ていこう。

 

設置方法が少し異なるのが東急電鉄の宮前平駅の例。写真を見ていただくとわかるように、ホームドアと電車の間に通常より広いスペースがある。

 

↑東急田園都市線の宮前平駅の様子。ホームドアと電車の間に、広いスペースが設けられている。東急の一部電車が6ドア車だったためこの形となった

 

これは以前に走っていた主力車両50000系に対応するための工夫だった。50000系は4ドア車とともに6ドア車を数両連結していた。しかし、50000系以外の電車は4ドアで、そうなると、ドアの位置が異なってしまう。宮前平駅のように電車との間にスペースを作れば、たとえ電車のトビラとホームドアの位置が合っていなくとも、電車への乗降が可能だったわけだ。

↑戸袋の線路側には「ホームの内側にお進みください」の表示が付けられる

 

宮前平駅のホームドアは電車が走りだしたあとに閉まる仕組み。とはいえ一長一短あり、電車のドアが閉まったあとに、ホームドアのなかに取り残されてしまうこともある。そうしたトラブルを防ぐために、現在は係員がホームに常駐している。現在は東急50000系の6ドア車が廃止され、すべて4ドア車と変更された。この大きなスペースは、いまは必要なくなっている。

 

次は、走る電車によってドアの開口部の大きさが異なる東京メトロ東西線の場合だ。

 

東京メトロ東西線の場合、主力車両の05系の一部と15000系は、乗降トビラが1800mmというワイドサイズになっている。一方で東西線には、ドアの幅が1300mmという通常サイズの電車も走っている。500mm差しかないといえばそれまでだが、ホームドアが従来のサイズだと、ワイドドア車の場合に、停車位置がややずれただけでも、乗り降りに支障をきたす可能性が考えられた。

 

そのため東西線の九段下駅に導入されたのは「大開口ホーム柵」と名付けられたホームドア。2重引き戸構造として、開く幅を大きくした。

↑東京メトロ九段下駅に通常の1300mm幅の東西線の電車が停車したときの様子。2重となった中側のドア部分の幅が、一般的なホームドアのドア幅となる

 

↑1800mmというワイドドアの電車が停まったときの様子。開口部が1300mmの通常の電車と500mm差とはいえ、幅が広いことがわかる

 

↑東西線九段下駅のホームドアは、2重で、それぞれ2枚のドアが右左に開く仕組みとした。通常のドア幅を持つ車両が到着したときでも、ドアが全開する仕組みになっている
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