発売5か月で急速に普及! 22年ぶりのタクシー専用車「ジャパンタクシー」
街中で見かけるだけでなく、もうすでに実際に乗った方も多いかもしれないが、タクシー業界では「トヨタ・ジャパンタクシー」が旋風を巻き起こしている。2017年10月から発売されたこちらのジャパンタクシーは、22年ぶりのタクシー専用車として開発された。販売開始して半年たたないうちに、街中でかなり多く見かけるようになっている。
22年間、業界がタクシー専用車両を造ってこなかった理由は“商売にならない”ということだった。だが、タクシーとしてしっかり使えるクルマであれば、販売ベースにのることができることを、このジャパンタクシーの成功例は物語っていると言えるだろう。
ジャパンタクシーの特徴は、見てのとおりロンドンタクシーを思わせる車高の高いボディにある。左後部のドアはスライドドア。ドライバーは、従来のセダンタイプのタクシーに比べて、ガードレールなどの道路わきの障害物に気をつかうことなくドアの開け閉めができる。さらに乗客は、乗用車のように乗車時に身体をかがめることなく、ラクに乗車できる。車内も広く快適だ。
ジャパンタクシーのグレードは「匠(上級グレード)」と「和(標準グレード)」の2種類。両車両とも350万円以内と、営業車両としては取得しやすい金額ではないだろうか。19.4km/ℓと燃費もなかなかのもの。このように利点が多く、今後、2020年のオリンピック開催に向けて、さらに普及の度合いが高まるものと思われる。
消防車にも見られる新しい動き
消防車の艤装では国内最大手のモリタ。同社が造る消防車にも新たな傾向が見られる。これまでの消防車はトラックベースの車両が多かった。モリタの新型はしご車には、MHシャシーという低床のバスベースのシャシーが使われている。
このはしご車は低床タイプで、フロアと地面の距離をより近くしている。乗り降りしやすい構造となっているわけだ。バスベースということもあり、室内はこれまでのはしご車に比べて広く、開放的な造り。消防隊員は出動する際に消防服を身につけ、重い装備品などを持って活動するため、乗り降りしやすく、キャビンが少しでも広ければ、それだけ隊員の負担減につながる。
次にご紹介するのは、モリタの「MVF(MORITA VARIOUS FIGHTER)」。13mのブームが付く多目的消防ポンプ車で、消防活動の中心になって働くポンプ車として、また、高所作業車および高所放水車として使える構造となっている。さらにCAFSといわれる泡を放出することも可能で、少ない水で効率的な消火活動を行うことができる便利な消防車だ。
消防車は小型のポンプ車でも1台およそ3000万円と高価な買い物だ。消防車を用意しなければいけない自治体にとっても負担が大きく、そう頻繁に買い替えられるものではない。MVFのように何役にも使える便利な消防車は、高額な出費を余儀なくされる自治体にとって、まさに“ありがたい車両”と言えそうだ。
農業機械の世界も大きく変わろうとしている
農業機械の中心になり活躍するトラクター。このトラクターがファッショナブルに変わりつつある。端緒となったのが、2015年に発表されたヤンマーのトラクターYTシリーズだ。デザインを担当したのは、工業デザイナーとして著名な奥山清行氏。赤い車体に、オシャレなフロントデザイン。これまでにない斬新なデザインをトラクターに施した。 運転席のあるキャビンは広々としており、フロントガラス、サイドガラスは継ぎ目がなく、360度の視界が確保されている。
農業機械の変化はトラクターにとどまらない。ヤンマーの田植機は次の写真のように変貌している。こうした働くクルマの分野も、オシャレが当たり前という時代がすでにやってきているようだ。