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2018/12/16 17:00

かつては同じ会社の路線だった — 数奇な運命をたどった2路線を巡る旅【貝塚線編】

【貝塚線を巡る旅3】海岸にも近い貝塚線終点の西鉄新宮駅

香椎線との接続駅、和白駅の次は三苫駅(みとまえき)。この駅を過ぎると、急に景色は郊外の風景となり、車窓に田畑が広がり出す。

 

湊川を越えればまもなく西鉄新宮駅(にしてつしんぐうえき)だ。終点までは貝塚駅から22〜24分ほどと近い。駅前には商店も無く、路線の終着駅とは思えない。電車が到着しても降りる人影はまばら。寂しさが感じられた。ちなみに路線の先、線路跡のスペースにはバス乗り場が設置されていた。

↑現在、貝塚線の終点駅となっている西鉄新宮駅。2007(平成19)年3月までは車止めの先、津屋崎駅まで9.9kmの路線が延びていた。利用者の減少で廃線を余儀なくされた

 

ほぼ一世紀前に博多湾鉄道という会社により沿線開発が進められた香椎線と貝塚線。前者はJRの路線となり、後者は西鉄の路線として歩んできた。

 

たぶん、会社の創始者たちは、福岡市の発展とともに薔薇色の未来を思い描いたことだろう。しかし、香椎線は福岡という大都市圏の路線にも関わらず非電化のまま(追記:2019年3月16日からBEC819系DENCHAが登場することになる、ようやく香椎線も新たな時代が訪れることになった)。また貝塚線は路線短縮され、地下鉄との乗り入れもままならない。

 

JR鹿児島本線という強いライバルが平行して走る。さらに福岡市が西エリア、南エリアの発展が著しいのに対して、東と北エリアは、福岡市と行政区が異なり、市町が細かく分かれている。諸事情が重なり、両線の成長度合は鈍い。

 

松尾芭蕉は「夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡」と詠んだ。福岡市の東と北エリアに敷かれた香椎線、貝塚線を乗り巡ってみた思いはまさにこの句のようだった。一時代は活況を見せた両線だが、現状を見るにつけ、将来を見越すこと、さらに舵取りの難しさを教えてくれるようだった。

↑貝塚線の終点・西鉄新宮駅から500mほど歩くと玄界灘に出る。新宮海岸と呼ばれる海岸線は夏期、新宮海水浴場として賑わう。季節外れの初冬、訪れた海辺は鳥たちの憩いの場となっていた

 

 

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