【秩父鉄道の車両】元東急や西武の車両が秩父路を元気に駆ける
現在、秩父鉄道を走っている電車を見ていこう。
主力となっている車両は元東急電鉄の車両たちだ。これらの車両は今でも東急で活躍中の車両で、秩父鉄道へやってきたものの古さを感じさせない。
◆7000系(元東急8500系)
秩父鉄道7000系は東急電鉄時代に8500系だった車両。変更されている箇所は、ドアごとに開け閉めボタンが付けられたことと、前面のカラーが変更されるなどで、東急時代とあまり変っていない印象だ。
東急出身の車両は他に秩父鉄道7500系・7800系が走る。元東急の8090系で、東急大井町線で使われていた。3両編成化された車両が7500系に、2両編成化された車両は7800系となっている。7500系は東急時代の面影を残しているが、7800系は先頭車の姿が大きく変更され、特徴のある姿で秩父路を走っている。
◆6000系(元西武新101系)
元西武の新101系も導入され、急行用電車として使われている。西武の101系といえば、かつては西武秩父線の開業に合わせて生まれた車両だ。秩父に縁の深い車両が、改造されて秩父路を今も走り続けているわけだ。
ちなみに車両はクロスシートに改造、また3ドアだった車両が2ドアとなっている。秩父鉄道の普通列車はロングシートが主流なだけに、鉄道旅の気分を楽しみたい方にはおすすめの電車だ。なお、急行列車への乗車には乗車券以外に急行券(200円)が必要となる。
ほか元都営地下鉄三田線の6000形も5000系となり走っている。
◆西武鉄道4000系
西武鉄道の4000系も西武秩父線から秩父鉄道へ直接乗り入れている。4000系は、勾配が急な西武秩父線内と、秩父鉄道への乗り入れ用に造られた車両で、セミクロスシート仕様、トイレも用意される。
週末は池袋駅〜長瀞駅・三峰口駅間を走り、ハイカーを中心に、多くの観光客に利用されている。
【秩父鉄道のSL情報】朗報!正月からSL列車が復活の予定
秩父鉄道の名物となっている「SLパレオエクスプレス」。週末を中心に熊谷駅〜三峰口駅を一往復する。東京から最も近くを走るSL列車として人気だ。パレオエクスプレスの名は、1300万年前に秩父地方に生息していたとされる海獣「パレオパラドキシア」にちなむ。
そんなSL列車だが、牽引をつとめるC58形蒸気機関車の点検作業中に不具合が発見され、2018年9月末から12月末まで長期運休を余儀なくされていた。
今後が心配されていたが、無事に復活することが12月18日に発表された。
予定では「SLパレオエクスプレス」の2019年の運行は、1月1日から6日までと、2月3日から3月3日までの土曜・休日を中心に計15日間、運行される。例年2月は運休時期だっただけに、初の冬の運行が本格化することとなった。期間中は多彩な車内イベントなども企画されていて、期待も膨らむ。
「SLパレオエクスプレス」の牽引に使われるC58形363号機は、1944(昭和19)年生まれ。主に東北地方のローカル線で使われた。1987(昭和62)年に「’88さいたま博覧会」を契機に復活が図られ、同年、JR東日本から秩父鉄道へ転籍した。
復活当初は「埼玉県北部観光振興財団」が所有していたが、財団解散後は秩父市へ移管、さらに2003年以降は、秩父鉄道が所有する車両となっている。C58形の動態保存機は、JR東日本が運行する観光列車「SL銀河」用の239号機と、秩父鉄道の363号機のみ。まさに秩父鉄道のお宝というわけだ。