【ミニ路線めぐり3】終点の西御坊駅から先に廃線跡が延びる
学門駅から先は駅と駅の間が非常に短い。そのため発車したと思ったら、すぐに次の駅に到着する。学門駅から紀伊御坊駅までは0.3km、紀伊御坊駅から次の市役所前駅までは0.6km、市役所前駅から次の西御坊駅までは0.3kmしかない。
歩いても、すぐに隣の駅に着ける距離だ。この区間に御坊の本町商店街といった繁華街や、市役所などの公共施設が集中している。
終点の西御坊駅。紀州鉄道友の会から寄贈された駅名板が、駅舎に比べて非常に立派に見える。2018年に無人化された西御坊駅だが駅舎内はきれいにリメークされていて、古い紀州鉄道の写真などが展示されている。本当に小さい駅ながら、レトロなムードがたっぷりで、好感が持てた。
終点の西御坊駅から先も日高川の河岸まで路線が延びていた。廃線になったのは1989(平成元)年のこと。廃止された日高川駅までは国鉄の貨車も入線していた。ちなみに日高川駅には機関庫があったが、太平洋戦争の終戦の年、6月22日の空襲に遭い、全焼した。
さらに西御坊駅からは隣接する美浜町にあるダイワボウプログレスの和歌山工場までも引込線が延びていたとされる。
筆者は紀州鉄道へは複数回訪れているが、廃線跡は歩く時間が足りずに常に断念してきた。次回は、西御坊駅周辺もじっくり歩いてみたいと思う。ごく短い路線ながら、何度行ってもいろいろと楽しめるのが紀州鉄道なのである。