平成最後の春のダイヤ改正 〜〜JRと大手私鉄各社など〜〜
この春、JRや多くの鉄道各社がダイヤ改正を予定している。
看板列車の時間短縮や、新特急の運転開始、新車両の導入、新路線の開業と話題はつきない。東日本大震災で不通となっていた区間の復旧に合わせ、三陸鉄道のダイヤ改正も予定されている。
今回は平成最後のダイヤ改正となる。各社が予定している改正点で、特に注目したいポイントを前後編の2回に分けてピックアップした。さらに鉄道会社の狙いはどこにあるのかを含めて検証してみた。
【ここに注目!①】ダイヤ改正のラッシュ日となる3月16日
まず、この冬から春にかけてダイヤ改正を行う大手私鉄各社とJRグループの日程を見ておこう。すでにダイヤ改正を済ませた会社もある。
■ダイヤ改正済みの鉄道各社
2018年12月8日(土曜) | 京成電鉄、京浜急行電鉄、相模鉄道 |
2019年1月19日(土曜) | 阪急電鉄京都線 |
2019年1月26日(土曜) | 東京メトロ丸ノ内線 |
京成電鉄、京浜急行電鉄は都営浅草線を通して相互乗り入れをしていることもあり、同じ日にダイヤ改正を済ませた。さらに相模鉄道は星川駅の高架化に併せてダイヤ改正を行っている。東京メトロでは、丸ノ内線のダイヤ改正を同社他線よりも早めに行った。この日から、新宿駅止まりの一部列車を荻窪駅まで延長し、増発するなどしている。
■今後にダイヤ改正を予定する鉄道各社
2019年2月22日(金曜) | 京王電鉄 |
2019年3月16日(土曜) | JR各社、東武鉄道、小田急電鉄、西武鉄道、東京メトロ各線(東西線・千代田線・有楽町線・副都心線・半蔵門線・日比谷線)、名古屋鉄道など |
2019年3月24日(日曜) | 三陸鉄道 |
鉄道各社が通勤・通学客が減る週末にダイヤ改正をするのに対して、京王電鉄では平日の金曜日というタイミングで、ダイヤ改正を予定するというのが興味深い。昨年も同じ日だったが、「222」という語呂の良さを狙った感も。他社よりも先にダイヤ改正に取り組めばもちろん注目度も高くなる。京王線と相互乗り入れを行う都営新宿線もこの日にダイヤ改正を行う予定だ。
3月16日に多くの鉄道会社がダイヤ改正を予定している。JRグループ各社は発足した当時は日が揃わずに、10月にダイヤ改正を行った時期もあった。2010年ごろから全社が一斉に3月中に行う傾向が強くなっている。さらに、JRと相互乗り入れを行う各社も合わせてこの日に行う。2019年の3月16日は、まさにダイヤ改正の“ラッシュ日”となった。
三陸鉄道では、3月24日にダイヤ改正を行うとともにJRの路線を引き継ぐ記念すべき日となる。本原稿でも取り上げておきたい。
さて、平成時代の最後となったダイヤ改正だが、次は注目したいポイントを見ていこう。まずは日付順に2月22日にダイヤ改正を行う京王電鉄から。
【注目はここ!②】朝に走る上り「京王ライナー」を4本増発!
他社よりも早い2月22日にダイヤ改正を行う京王電鉄。大きな変更点は京王線を走る有料座席指定列車の「京王ライナー」の増発だ。「京王ライナー」は2018年2月22日、1年前のダイヤ改正時から走り始めた。運転開始からちょうど1年たつことから今回、見直しが行われた。
◇朝は2分間隔という過密なダイヤの壁
「京王ライナー」で大きく変わるのは、朝に走る列車が登場すること。平日は橋本駅発→新宿駅着の2本、京王八王子駅発→新宿駅着の2本が走り始める。土・休日は橋本発が2本、京王八王子駅発が1本走る。
朝に座って行きたいという利用者にぴったりの朝の便。特に停車する途中駅からの利用者が多くなるのではないだろうか。京王線の沿線に住んでいる筆者としても歓迎すべきことだと思う。しかし、ラッシュがピークとなる時間帯(新宿駅着7時過ぎ〜9時)に走らせることができなかったのがちょっと残念だ。
平日の上り「京王ライナー」は、橋本駅から6時20分発(新宿駅7時着)と、8時49分発(新宿9時29分着)、京王八王子から6時5分発(新宿6時47分着)、8時31分発(新宿9時16分着)が走る。いずれの列車も過密となるピーク時間を避けている。
列車の本数が多いのが京王線の調布駅〜笹塚駅間で、7〜8時台は列車の間隔が最短2分間隔となる。1時間に26〜27本の上り列車が集中するのだ。列車の本数が極端に過密化している。今後、2022年度に完成予定とされる笹塚駅〜仙川駅間の立体交差事業が進み、優先して走らせる線路などを設けない限りピーク時の増発は難しいように思われる。