昨年7月の道路交通法施行規則改正により、普通自動車免許を持っていれば、AT小型限定自動二輪(原付二種)免許を最短2日で取得可能になりました。原付二種とは排気量が125cc以下のバイクのこと。50cc以下の原付一種と比べると、30km/hの速度制限がなく、二段階右折も不要、2人乗りもできるなど、格段に使い勝手が良くなっています。
ホットなカテゴリの原付二種は、各社から注力モデルが続々発売。低燃費でタフなうえ、デザイン性に優れる製品が多い点も魅力です。今回は、原付二種のオススメ車種を紹介します。
【CHECK! 】 125㏄以下のAT限定車なら最短2日で免許が取れる!
普通免許を持っている人なら、教習所で技能教習8時間、学科講習1時間を受ければ原付二種の免許を取得可能。最短2日なので、忙しい人でも増税前にこなせます。トータルの費用は6〜7万円程度。
二輪免許の区分と運転できるバイクの排気量
原付(一種) | 50㏄以下 |
小型(MT/AT〈※〉) | 125㏄以下 |
普通(MT/AT) | 400㏄以下 |
大型(MT/AT) | 制限なし(AT限定は650cc以下) |
※:原付二種
【解説する人】
ライター/並木政孝さん
輸入車、眼鏡、ブランド誌などの編集長を歴任し、フリーライターに。バイクのほか自転車、釣りなどに造詣が深い。
初心者でも扱いやすく経済的でタフなモデルが多いため長く乗れる
原付二種は軽量かつコンパクトでバイク初心者でも扱いやすい。さらに燃費性能に優れ、維持費も安く、タフなモデルが多いため、長く乗れるはずです。(並木さん)
【ココをCHECK】
1.走行性
50㏄以下の原付一種と比べればパワーもありますが、最も重視するのは軽快でスポーティな走り。毎日乗ってもへたらないよう、エンジンのタフさも重視しましょう。
2.操縦性
バイク初心者でも安心して乗れるハンドリング性能を備えているかを評価。クラッチ形式をはじめとする各機構が、長距離のライドでも疲れにくいか確認しました。
3.機能性
ヘルメットボックスの容量や、オプションパーツなどの充実度をチェック。夜間の走行を快適にする、LEDヘッドライトが標準装着されているかも調べておきましょう。
4.燃費性能
ガソリンも消費税増税の対象。毎日の通勤や買い物で乗る人ほど増税の影響を感じるでしょう。より実燃費に近いといわれるWMTCモード燃費を確認しています。
【その1】
レトロなデザインと高い実用性を備え、所有する喜びを感じられる1台
ホンダ
スーパーカブ C125
39万9600円
初代モデルのレトロなデザインを再現しつつ、LEDヘッドライトや電子制御式の燃料噴射装置を採用して実用性を向上。圧倒的な燃費性能と余裕の走りを両立するだけでなく、商用車由来のタフ性能も備えて一生乗れる相棒として使えます。
【SPEC】●全長×全幅×全高:1915×720×1000mm ●車両重量:110㎏ ●エンジン:空冷4ストロークSOHC単気筒 ●最高出力:9.7PS/7500rpm ●最大トルク:1.0kg-m/5000rpm ●排気量:124cc ●クラッチ形式:4段リターン ●WMTCモード燃費66.1km/l
【走行性】評価A
空冷4ストロークエンジンが、124㏄とは思えない余裕のある走りを実現。どこまでも走り続けられるような安心感があります。
【操縦性】評価A
ペダルを踏み込むだけで操作できる自動遠心式クラッチシステムが秀逸。ストップ&ゴーの多い市街地でその実力を発揮できます。
【機能性】評価A
「Honda SMART Key」を採用。車両に接近すれば、キーを取り出すことなくメインスイッチノブやシートロックを解錠できます。
【燃費性能】評価A+
電子制御で燃料を供給し、低燃費と排出ガスのクリーン化を実現するPGM-FIシステムを採用。カタログ値ながら66.1km/lは驚異的です。
【その2】
“前二輪”の独創的スタイルで圧倒的な走行安定性を実現する
ヤマハ
トリシティ125
39万4200円
独自の「LMWテクノロジー」によるフロント二輪スタイルで、高い走行安定性を誇ります。新設計のフレームとサスペンションを採用し、乗り心地の向上や足元のスペース拡大を実現しました。ABS装備モデル(43万2000円)も用意。
【SPEC】●全長×全幅×全高:1980×750×1210mm ●車両重量:159kg ●エンジン:水冷4ストロークSOHC単気筒 ●最高出力:12PS/7500rpm ●最大トルク:1.2㎏-m/7250rpm ●排気量:124cc ●クラッチ形式:無段変速AT ●WMTCモード燃費:43.6km/l
【走行性】評価A+
フロント二輪は、左右が独立して可動することで安定性を高めています。同社がうたう「ころばないバイク」で、初心者にピッタリ。
【操縦性】評価A+
個性的なスタイルですがハンドリングはクセがなく、軽快かつスムーズ。ロングライドでも疲れにくく、荒れた路面にも強くなっています。
【機能性】評価B
安定感と引き換えに車幅の広さを感じる設計で、追い越しや駐車時に多少気を遣います。足元のスペースは広く、買い物などに便利。
【燃費性能】評価B
走りの楽しさと燃費&環境性能を両立する“BLUE CORE”エンジンを搭載。車重が重いためか、燃費性能はいまひとつです。
【その3】
アクセルを開いた瞬間から始まる“4秒間のエクスタシー”にやみつき
ホンダ
PCX HYBRID
43万2000円
量産二輪車として世界で初めてハイブリッドシステムを採用。スロットルを開いた瞬間に始まる4秒間のモーターアシストは、俊敏なレスポンスを発揮します。低燃費重視の「D」とスポーティな走りの「S」の2モードを選択可能。
【SPEC】●全長×全幅×全高:1925×745×1105mm ●車両重量:135kg ●エンジン:水冷4ストロークSOHC単気筒+モーター ●エンジン最高出力:12PS/8500rpm ●モーター最高出力:1.9PS/3000rpm ●排気量124cc ●クラッチ形式:無段変速AT ●WMTCモード燃費51.9km/l
【走行性】評価A+
ベース車のPCXはスポーツ性が高く、これにモーターアシストを加えてよりシャープな走りを実現。2人乗車時でも快適です。
【操縦性】評価A
操作はスロットルを捻るだけで、初心者でも戸惑いません。「D」と「S」の走行モード切り替えも、スイッチひとつで簡単です。
【機能性】評価B
ハイブリッドシステムの搭載で、シート下のラゲッジ容量がガソリン車より5lも縮小。買い物時などに不便を感じるかもしれません。
【燃費性能】評価B+
同ガソリン車との燃費差はなんとわずか0.4km/l。同車のモーターアシストは、燃費ではなく走りを向上させるためのものです。