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2019/8/2 18:00

「実に真摯」ーーレンジローバー・イヴォーク2代目はどう進化した?

パワーユニットはガソリンとディーゼルで4タイプ。ボディは99%新設計

搭載エンジンは、ジャガー・ランドローバーが「インジニウム」と呼ぶ最新世代の2L直列4気筒。日本市場にはガソリン仕様がアウトプット別に3タイプ(P200、P250、P300MHEV)、ディーゼルに1タイプ(D180)が用意されます。ガソリン仕様で最強スペックとなるのはP300ですが、MHEVという名称の通り48V電装とベルトドライブのスターター/ジェネレーターを組み合わせたマイルドハイブリッドであることも特徴のひとつ。走行中でも時速17km/h以下になるとエンジンが停止。エネルギー回生を行い、蓄電した電力は発進時の動力などに活用することで経済性はもとより静粛性の向上にも貢献します。なお、トランスミッションはエンジンの仕様を問わず9速AT。駆動方式もすべて4WDとなりますが、P300MHEVではリアへの駆動伝達を完全に切り離せるドライブライン・ディスコネクト機構を持つアクティブ・ドライブラインを採用。前後駆動配分を最適化するだけでなく、経済性にも配慮したシステムが採用されています。

↑ガソリン仕様のエンジンは写真のP300MHEVが頂点で、ほかに249PSのP250、200㎰のP200を用意。これにディーゼルのP180(180PS)を加え合計で4タイプから選ぶことができます

 

それらを搭載する骨格も一新されました。新型イヴォークでは「PTA(プレミアム・トランスバース・アーキテクチャー)」を採用。これは来るべき本格的な電動化にも対応する新世代ボディで、強固なサブフレームとの組み合わせにより剛性は先代比で13%向上。走りのパフォーマンスだけでなく快適性向上にも貢献するほか、ホイールベースが20mm伸びたことで室内空間の拡大も実現しています。

レンジローバーを名乗るだけに、走破性能にも一層の磨きがかけられました。路面状況に応じてサスペンション、トランスミッション、駆動制御などを簡単なモード切り替え操作だけで最適化するランドローバー自慢の「テレイン・レスポンス2」をイヴォークとしては初搭載。基本的にはデザインコンシャスなイヴォークですが、起伏が激しい路面とボディが干渉するのを最小限に抑えるべく対地アングルも実戦的で、アプローチ、ランプブレークオーバー、ディパーチャーの各アングルはそれぞれ22.2度、20.7度、30.6度を確保。さらに、渡河水深は先代を100mm上回る600mmを実現しています。このクルマで激しいオフロード走行や川渡りに挑むユーザー像というのはイメージしにくいところですが、真摯に走破性向上を追求する姿勢はレンジローバーの名声を築いたランドローバーらしい部分といえるでしょう。

↑対地アングルも良好なので、写真のような疑似モーグル路面程度でボディが干渉することもありません

 

“らしい”といえば、世界初採用という「クリアサイト・グラウンドビュー」もそうした美点のひとつに挙げられるでしょう。これは2014年にランドローバーが発表した、「トランスペアレント・ボンネット・テクノロジー」のコンセプトを具現化したもの。具体的には車速が16km/h以下になると前方路面を録画、それと前方カメラの映像を合成することでフロントタイヤ手前180度の路面状況を室内のモニターで確認することができるようになっています。大きな段差のある路面や、オフロードに代表される障害のある路面で威力を発揮することはもちろん、オンロードでも狭い場所での取り回し時などに重宝するでしょう。

 

↑クリアサイト・グラウンドビューの映像は、インパネ中央のモニターに表示されます。操舵すると画面に合成されているタイヤの角度も変わり、どの程度操舵しているのかも一目瞭然です。なお、合成する路面の録画は30km/hになると自動停止するとのこと

 

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