【国鉄形気動車②】まだ大所帯のキハ40系とはいえ消える地域も
製造年 | 1977年〜1982年(現存車両数660両) |
残る路線 | JR北海道からJR九州に至るまでの非電化路線(JR東海を除く) |
非電化区間を走る気動車は、電車に比べて開発の遅れが目立った。液体式気動車としてキハ10系、キハ20系といった車両が1950年代から70年代にかけて製造されたものの、非力さ、老朽化が目立つようになっていた。その代わりとして生まれたのがキハ40系だった。
キハ40系にはいくつかタイプがある。両運転台を持ち1両でも走ることができるのがキハ40形、片運転台のみのキハ48形、扉を都市近郊用に両引きとしたキハ47形の3形式がまずは造られた。以降、モーターを強力にするなどいくつかの派生形式が生まれた。それらすべてまとめてキハ40系と呼ばれている。
キハ40系は888両と大量の車両数が造られ、各地の非電化区間に配置された。その中で、JR東海の車両はすでに消滅している。ほかJR各社に残り、計660両が今も使われている。中でもJR西日本が252両と多い。とはいえ、長年、使われてきたこともあり、車内外を更新した車両や、観光列車(JR九州は、観光特急に改造している例が多い)に改造される車両も多い。
残るキハ40系の中で近年、JR東日本の車両に減る傾向が目立つ。2020年春までに新津運輸区の車両(計41両)が新型GV-E400系気動車と入換えされることが発表された。
新津運輸区のキハ40系といえば、磐越西線や羽越本線、信越本線のほか、只見線の小出駅〜只見駅間で使われている。報道発表では只見線のキハ40系とまでは言及されておらず、このあたり気になるところだ。
来春までの削減は新津運輸区のみだが、JR各社では代わりの車両を開発し、増備しつつある。JR九州の香椎線などのように、キハ40系全車をBEC819系電車(交流用蓄電池駆動電車)に変更するというような例も出てきた。各地から例年のように姿を消していく現状が続く。
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【国鉄形気動車③】北海道と四国で今も一線で活躍するキハ54形
製造年 | 1986年〜1987年(現存車両数40両) |
残る路線 | JR北海道:宗谷本線、留萠本線、函館本線、石北本線など JR四国:予讃線、予土線、内子線など |
キハ54形は、キハ31形や、キハ32形と同じく国鉄最晩年に三島(北海道、四国、九州)の経営基盤整備を目的に生まれた車両である。北海道と四国用に計41両が造られた。
キハ32形に比べて全長が21.3mと長いことが特徴で、1両での運転が可能なように前後部に運転台が取り付けられた。北海道向け酷寒地仕様50番台(トイレ付き)と、四国用の温暖化仕様0番台(トイレなし)を用意、廃車から発生した部品や、バス用の部品を利用することでコスト削減を図っている。
JR北海道のキハ54形は旭川運転所と釧路運輸車両所に配置され、より気象条件が厳しい道北・道央の路線での利用がメインとなっている。北海道ではキハ54形よりも車歴が長いキハ40系の車両数が多いことから、まずはキハ40系が先に新造車(H100形気動車DECMO)と入換えということになると予想されている。
JR四国では松山運転所に配置され、愛媛県内の予讃線や予土線の路線での運用が多くなっている。四国では特急形気動車の入換えが優先して行われている。そのため普通形気動車の入換えは、かなり先のことになりそうだ。