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2019/9/12 20:00

新型の売れ行き好調!RAV4の人気の秘密を永福ランプが徹底的に検証

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載。今回は、かつて日本にライトSUVを広めたRAV4を取り上げます。新型が順調に売れている理由とは?

 

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永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどで、クルマを一刀両断しまくっています。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更しています。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいます。

 

【今月のクルマ】トヨタ/RAV4

 

SPEC【HYBRID G】●全長×全幅×全高:4600×1855×1685㎜●車両重量:1690㎏●パワーユニット:2487㏄直列4気筒エンジン+モーター●最高出力:178PS(131kW)/5700rpm●最大トルク:221Nm(22.5㎏f-m)/3600〜5200rpm●JC08モード燃費:25.0㎞/ℓ●260万8200円〜381万7800円

 

RAV4バカ売れの理由は〝カクカク顔”にアリ?

安ド「殿! 新型RAV4が売れまくってます! 発売1か月で約2万4000台も受注です!」

永福「うむ。実に意外だ」

安ド「えっ、それはなぜですか?」

永福「RAV4は代ごとにボディサイズが大きくなり、日本市場に合わなくなって、販売不振に陥っていた。ついに先代は日本で売られなかったくらいだ」

安ド「なのになぜ新型は売れているのか、ということでしょうか」

永福「その通り」

安ド「なぜでしょう?」

永福「わからない。サイズはさらに少し大きくなったというのに。全幅1855㎜もあるのだぞ」

安ド「いまや輸入車ではそれくらいが普通ですが」

永福「輸入車と国産車は別世界の乗り物。ここまで幅の広いクルマが日本でベストセラーになることはなかった。なにせクラウンですら、わざわざ全幅を1800㎜に抑えているくらいだ」

安ド「そ、そうでした!」

永福「日本で最も売れているSUVのC-HRやホンダのヴェゼルは、全幅1800㎜未満。なぜ一足飛びに1855㎜のRAV4がこんなに売れたのか……」

安ド「僕が感心したのは、ナビの位置がすごく見やすい、そして車内も広い、荷室が使いやすそう、安全機能がフル装備、といったあたりです。こういう総合的な性能でバカ売れしてるんじゃないでしょうか!」

永福「それもあるだろうが、そういう理性的な理由だけでバカ売れするとは考えられぬ」

安ド「わかった! 価格が安いんじゃないですか!」

永福「いや、決してそれほど安くはない。売れ筋グレードは300万円前後で、ライバル車である日産のエクストレイルとほぼ同じ。トヨタは値引きも渋めだ」

安ド「うーん、じゃあデザインでしょうか」

永福「それは考えられる」

安ド「このデザイン、良いんでしょうか?」

永福「個人的には、この鬼瓦のようなフロントマスク、まったく好きではないが、全体にカクカクしたフォルムがウケている可能性はある。日本人は伝統的に四角いクルマが好きだからな」

安ド「そう言えば、カクカクだった先代エクストレイルも売れてましたよね!」

永福「うむ。四角くて人気のあったエクストレイルは、グローバルモデルに生まれ変わって丸っこくなってしまった。つまり、四角っぽい手ごろなSUVがなくなっていたのは事実だ」

安ド「スズキのジムニーもカクカクで売れてますしね!」

永福そう考えると、RAV4のバカ売れの要因は、ペヤング的なカクカク顔のパワーということか

安ド「ところで、走りはどうでした?」

永福「まったく面白みはないが、欠点もまるでなかった」

安ド「それは売れそうですね!」

 

【注目パーツ01/エンジン】2種類とも排気量大きめ

パワーユニットは、2.0ℓ直列4気筒エンジンと、今回試乗した2.5ℓ直列4気筒エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドが設定されています。低排気量化という時代の流れには反しているものの、どちらも低燃費でパワフルです。

 

【注目パーツ02/オフロードモチーフ】目に見える場所に広がるオフロード感

デコボコした素材がインテリアのあちらこちらに散見されます。まるで荒れた路面のような、いかにもオフロードモデルっぽい意匠で素敵な演出です。これを見るとラフロードが連想され、走りに行きたくなるような気がします。

 

【注目パーツ03/ホイール アーチモール】モールで骨太さをイメージさせる

<フロント>

 

<リア>

タイヤの周囲をカバーする形で装着される黒いモールパーツは、SUVならではの装備です。ただし、新型RAV4ではその形状もタイヤに合わせて丸いアーチを描いたものではなく、カクカクした形状になっていて、骨太な雰囲気を感じさせます。

 

【注目パーツ04/走行モード切り替えスイッチ】路面に合わせてセッティング

ハイブリッド車では、「ECO」、「SPORT」、荒れた路面向きの「TRAIL」、モーターのみで走行できる「EV」と様々なモードが設定されています。他グレードでは、ラフロード向きのモードがさらに3つ設定されています。

 

【注目パーツ05/ヴォルテックスジェネレーター】空気の流れを整える

この小さな出っ張りには、車体の周辺を流れる空気を調整し、抵抗を減らす効果があるそうです。近年、86のようなスポーツカーや、アクアのような低燃費モデルなど採用車が増えていますが、効果のほどはさっぱりわかりません。

 

【注目パーツ06/フロントフェイス】鬼瓦顔が販売好調の要因

直線基調で鬼瓦のような表情のフロントデザインはユーザーから大好評のようです。なお、オフロードグレードの「アドベンチャー」は、口を真一文字に結んだような、よりゴツい雰囲気のデザインになっています。

 

【注目パーツ07/ラゲッジ内電源】外出先にいても家電を使える

荷室には、ハッチを開けた右側に写真のような電源が付いています。シガーソケットに加え、家庭用と同じAC100Vのコンセントもあり、キャンプなどの際に家電などの電気製品を使用することができて便利です。

 

【注目パーツ08/ヒーター】手放せなくなる冬の必需品

ステアリングとシートにヒーターが搭載されています(一部グレードでオプション)。手や尻を温めてくれる冬のドライブにうれしい現代的な装備です。これらが付いているだけで雪山でも登れそうな気がしてきますね。

 

【注目パーツ09/ラゲッジルーム】2段階の高さ調整が可能

キーを持ったままバンパー下に足を差し出すだけでバックドアが開く機能(一部グレードのみ)付きの荷室は、クラストップの広さです。手動なので多少面倒臭くはありますが、床面の高さを2段階に変更することも可能です。

 

 

【これぞ感動の細部だ/4WDシステム】グレードごとに3タイプを設定

 

<ダイナミックトルク ベクタリングAWD>

 

<E-four>

新型RAV4の一番のウリとなっているのが、走行状況を判断して車輪ごとの回転やトルクを制御する新4WDシステム「ダイナミックトルクベクタリングAWD」です。残念ながら今回試乗したハイブリッドグレードには、これではなく「E-four」という電気式の4WDが組み合わされていますが、さらにもう1種類4WDの設定もあって、4WDに関してはとても贅沢です。

 

撮影/我妻慶一

 

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