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2019/9/8 18:00

【2019秋保存版】見る&撮るなら今のうち!残り少ない国鉄形車両 その3〈機関車編〉

【国鉄形⑩DE11形式】遮音性能を備えた入換え専用機が今も活躍

製造年1967年〜2004年(現存車両数7両)
現存車両の内訳JR貨物6両(仙台総合鉄道部、新鶴見機関区、岡山機関区に配置)、JR東日本1両

 

DE11形式は主に貨物の入換え作業および、短距離の貨物列車牽引を行うために造られた。当初から旅客車両の牽引を考えずに造られたため、客車で利用する蒸気の発生装置は付けられていない。さらに2両の機関車を連結して列車を牽引するための機能、重連総括制御機能を設けず、この回路を結ぶためのジャンパ栓も付けられていない。

 

0番台、100番台が造られた後に、住宅に囲まれた都会の貨物駅での利用に対応した低騒音型の2000番台が用意された。

↑DE11形式2000番台は騒音防止のため、車輪下までカバーでしっかり覆われた姿がユニーク。新鶴見機関区に同タイプが4両配置されている

 

元々、貨車の入換え専用機という位置づけだった。コンテナ貨車が主体になったころから不要な車両となり、国鉄分割民営化までに多くの車両が消えていった。残ったのは騒音対策を施した2000番台で、新鶴見機関区に配置され、京浜地区の支線での運用、神奈川県内にある相模貨物駅などでの入換え作業に使われている。

 

DE11形式のみを見れば細々と使われる状況ながら、DE10形式とともにDD200形式が本格的に増産されるまでは、その姿は残ることになりそうだ。

 

 

【国鉄形⑪DE15形】旅客各社にわずかに残る除雪用機関車

製造年1967年〜1981年(現存車両数19両)
現存車両の内訳JR北海道13両、JR東日本2両、JR西日本4両

 

DE15形は国鉄が1967年から開発・製造した除雪用ディーゼル機関車。前後にラッセルヘッドの取り付け、また取り外しができる。取り外せば、DE10形と同じように入換え作業や、本線での列車の牽引ができる便利な機関車でもある。

 

除雪が必要な路線を持つJR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本に80両以上が引き継がれた。

↑JR北海道のDE15形1533号機。冬期はラッセルヘッドを前後に付けて除雪車として活躍。夏期は富良野・美瑛ノロッコ号としてトロッコ形客車を牽いて走る。そのため機関車本体はノロッコ列車向けの塗装が施されている

 

昨今、除雪が容易な除雪用モーターカーの導入が進んだこともあり、JR北海道以外は、JR東海では消え、さらにJR東日本ではほぼ使われていない状況。JR西日本ではキヤ143形を導入、除雪作業を行っているので活動の場が狭まっている。

 

多くが残るのはJR北海道。除雪作業とともに、夏期はラッセルヘッドを外して観光列車「富良野美瑛ノロッコ号」の牽引などに利用されている。JR西日本では観光列車「奥出雲おろち号」の牽引機として使われている。

 

こうした観光列車が走り続けるかぎり、DE15形はこの先まだ活用されることになりそうだ。

 

ほかJR東日本には希少な機関車が残される。その1両がDD16形ディーゼル機関車。こちらは重量のある車両が入線できないローカル線用に造られた機関車で、1970年代の序盤に65両が造られた。現在、長野総合車両センターに1両のみ残る。2019年10月5〜6日に飯山線の全通90周年を記念した「飯山線開通記念号」として、旧型車両を牽引する予定となっている。久々の晴れ姿を見ることができそうだ。

 

なおJR東日本は国鉄形のDD14形という除雪用のディーゼル機関車を2両保有しているが、こちらは稼働がほぼ無い保留車となっている。

 

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