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2019/11/9 18:00

災害により寸断された「ローカル線」−−不通となっている19路線の現状をチェックする【後編】

⑲【九州の不通区間3】22年度中に再開を目指す南阿蘇鉄道

JR豊肥本線とともに、熊本地震により大きな被害を受けた南阿蘇鉄道。地元町村により運営される第三セクター鉄道だ。路線は立野駅〜高森駅間の17.7km。うち豊肥本線との接続駅、立野駅〜中松駅間の被害が大きかったことから長期間の不通となってしまった。

 

◆南阿蘇鉄道 高森線:熊本地震(2016年4月16日)の被害

不通区間立野駅〜中松駅間10.5km
被害状況橋脚損傷、トンネル内亀裂、のり面崩壊、土砂流入など
復旧見込み2022年度中に復旧予定

 

↑立野駅に近い立野橋りょうを渡るトロッコ列車。この先にある第一白川橋りょうの損傷が目立つため、同橋は架け替えされることになった

 

南阿蘇鉄道は2018年から不通区間の復旧工事がすでに始められている。第一白川橋りょうの損傷が著しく、同橋は架け替えられることになった。そのために工事費は膨らみ、最大で70億円になる見通し。国は復旧費の97%を負担する方針としている。復旧は2022年度の予定で、立野駅まで復旧した後は、列車が豊肥本線への乗り入れるプランも協議されている。

 

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【まとめ】大半が復旧するなかでBRT化で延命する策も論じられる

現在、路線が不通となっている19線区のうち、北海道の2線区は廃止となる気配が強くなっている。一方で、この秋に被災した線区は大半が、復旧までの期間に長短の差があるものの、路線復旧へ向けて調整、そして工事が進められていることが分かった。

 

予断が許さないのが、地方を走る閑散路線だろう。例えば、九州の日田彦山線のように、経営基盤が弱い三島のJRが運営し、さらに地元自治体にも余力が無いところでは、BRT(バス・ラピッド・トランジット)化が避けられないのかも知れない。すでにJR東日本の大船渡線や気仙沼線ではBRT化が進められた。

 

こうした方策も一つの鉄道路線の延命策と言えるだろう。ただし筆者個人としては、やはり鉄道路線が残せるのであれば、鉄道の方が賢明だと思う。一度廃止してしまった路線は復活するのは新線を造ることと同じように経費がかかる。

 

地球温暖化により、台風、豪雨といった自然災害は深刻さを増していくと予想されている。今後、出現して欲しくは無いものの、災害により不通になった鉄道路線をどのように復旧していけば良いのだろうか。いま国や自治体、そして私たち自身を含め、改めて公共交通機関の維持の仕方が現状のままで良いのかどうか、問われているように思われる。

 

↑市街地の復活を目指す陸前高田市。玄関口となる大船渡線の陸前高田駅も2018年4月に新市街地へ移った。BRTは乗車した記憶としては、専用道路上は、あまり乗り心地が良いとは言えなかった。とはいえ渋滞に巻き込まれにくいのは長所と言えるだろう

 

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