乗り物
2019/11/25 20:00

ポリスの目も気にならない電動モビリティ。「キントーン」は、日本の公道でも走行可能ッス!

前回、ひょんなことから【セグウェイ】の試乗会にお邪魔したのですが、その記事を見た別の電動モビリティ関係者の方から連絡が突如来ました。今度は【キントーン】です。というわけで、同社の新製品発表会&試乗会に参加すべく、キントーンの本社のある茨城県常総市まで、いそいそと行ってきました。

【関連記事】

セグウェイの現状と、実はラインナップが充実していたので湘南で乗ってみた

 

茨城・常総市市長が、キントーン新製品発表会&試乗会に登場

「Kintone」はもともと、システム開発や卸販売を手がける国内企業のアースシップ(茨城県常総市)が2015年に立ち上げた電動モビリティのブランドです。昨年、ブランド名をそのまま社名にして分離・独立。これまで、累計1万台以上を販売したミニセグウェイ型の「Kintoneオフロードモデル/クラシックモデル」のほか、シューズ型の「Kintone Gyro Shoes」、スケートボード型の「Kintone EZ Skateboard」などを販売してきました。ただし、これらは国内では全て公道走行不可。しかし、今回は公道走行可能な新製品をお披露目するよ!ということで、メディアが呼ばれたのです。

 

新製品発表および試乗会に先立ち、常総市の神達岳志市長が登壇して常総市の現状とキントーンへの期待を語りました。「平成27年の鬼怒川の堤防決壊で常総市は多大な被害を受けましたが、その復旧復興の目玉として先般、圏央道の常総インターチェンジが開通し、そこを中心としたアグリサイエンスバレー構想を現在推し進めています。同地は45haもの広大な敷地に生産から加工、流通までを一体化した6次産業の拠点となります。そのほか、観光農園や道の駅、一般企業の誘致など、インターチェンジ直結という地の利を生かした産業を育てることで交流人口の増大、市内への波及効果を期待しています。この広大な敷地の中でキントーンは人々の移動をはじめとした様々な面で活用できるでしょう。電動なので環境にもやさしいのも同バレーに合っています」。そして、キントーンから常総市にキックボード型公道走行モデル「Kintone α Go」1台を贈呈するべく、キントーンの渡邊孝祐社長から神達市長に目録が手渡されました。

↑キントーンの渡邊社長(右)から常総市の神達市長(左)に「Kintone α GO」の目録を贈呈

 

簡単にスイスイ乗れる電動キックボード

では、新製品の公道走行可能3モデルを紹介。まずは、常総市に寄贈される予定の「Kintone α Go(キントーン・アルファ・ゴー)」。キックボードタイプなので誰でもすぐに操縦することができます。最高速度は20-30km/h(体重によって変わる)で、1度の充電で走行できる距離は5~10km(同)、充電時間は4時間。日本では原動機付き自転車の登録となるため、ライトやウインカーなどの保安部品が搭載されており、ナンバーの取得、運転免許が必須。乗車時はヘルメット着用義務があります。クラウドファウンディングのMakuakeにて目標金額50万円のところ11月19日現在で2400万円以上が集まっており、販売が決定。2020年2月より順次出荷していく予定です。駅までα GOに乗って、駅についたら折りたたんでそのまま電車に乗り込み、目的地についたらまたα GOに乗って出かけるということができるので、行動範囲がぐっと広がりそうです。

↑Kintone α Goは、一見すると普通のキックボード。本体サイズは長さ1050×幅470×高さ1200mm、本体重量10kg、価格9万9900円(税別)

 

↑後ろにはナンバープレートとブレーキランプ

 

↑前下部には方向指示器

 

↑バックミラーと前照灯(中央の黄色い部分)、ホーンも搭載

バギー型は、シュワちゃんが乗っていてもおかしくない

続いて三輪バギー型の「Kintone Trike(キントーン・トライク)」。最高速度は30km/h、1回の充電で走行できる距離は約30km、充電時間は5-6時間です。ミニカー登録となり、ナンバー取得が必須。運転するには原付免許が必要です。乗車時はヘルメットは義務付けられていませんが、安全のために着用が推奨されています。今年5月にMakuakeにて2450万円の支援を獲得、現在、順次出荷している最中です。

↑「Kintone Trike」は18×9.5インチのぶっといタイヤで男っぽい乗り物。本体重量は75kg、本体サイズは長さ2050×幅1000×高さ1330mm(ミラー含む)

 

↑乗ってみるとこんな感じ。アクセルがピーキーで少し操縦しづらかったけど、出荷時にはもっとソフトな操作感になるそうです

 

↑ナンバープレート、ブレーキランプ、方向指示器を搭載

 

↑バイクのように右手ハンドルのスロットルをひねることでスピードが上がっていきます。ギアは3段で、バックギアもあり

 

漕いでも漕がなくとも走れる、折りたたみe-Bike

最後は折りたたみマウンテンバイク型の「Kintone X(キントーン・エックス)」。電動時3段ギア搭載で、9-33kmのスピードが出ます。1回の充電で70-80kmの走行が可能で、電気の力だけで走ったり、自転車のように自分で漕ぐこともできます。原付登録なのでナンバー必須、ヘルメット必須、保安部品搭載。2020年春をめどにクラウドファウンディングをスタートする予定です。価格は未定。

↑Kintone Xは、一見すると折りたたみマウンテンバイク。本体重量は30.5kg、使用時のサイズは長さ1710×幅600×高さ1310mm

 

↑原付登録なのでナンバープレートとブレーキランプなどの保安部品を搭載

 

↑原チャリのようにスピードメーターがあります

 

↑操作はバイクのように右ハンドルのスロットルをひねることでスピードがあがりますが、電動モーターを切れば7段変速の自転車としても使えます

 

↑電動で走っている様子。ペダルは漕いでません

 

なお、この日はBリーグ所属のプロバスケットボールチーム、茨城ロボッツのチアダンスチーム「RDT」がKintoneオフロードモデルに乗ってダンスを披露、新製品発表会を盛り上げてくれました。RDTが乗っているモデルはキントーンのスポンサードによるもの。普段も試合中のハーフタイムなどに、キントーンに乗ってパフォーマンスを披露しているとのことです。なお、茨城ロボコラボモデルも発売中。

↑茨城ロボッツRDTがキントーンを使って華やかなパフォーマンスを披露してくれました

 

↑右のカラフルな2台が茨城ロボッツコラボモデル

 

キントーンの渡邊社長は、電動モビリティは日本の社会問題を解決できるポテンシャルを持っていると説明します。「高齢化や過疎化などにより、日本には約800万人の買い物難民がいると言われています。空き家も増えています。手軽な移動手段となる電動モビリティが普及することで行動範囲が広がり、こうした社会問題を解決する一助になる可能性があります。交通渋滞の緩和や排気ガスの低減もそうです」。現状、日本ではナンバーを取得しない限り公道を走れませんが、海外ではすでに電動モビリティが自由に公道を走っている国が多くあります。日本は道路が狭い上に交通量が多く、電動モビリティと歩行者、クルマが安全に共存するための環境が整っているとは言い難いですが、まずは常総市のアグリサイエンスバレーのような新しい施設を特区として試験導入してみてもよいのではと考えます。キントーンと常総市のコラボ事業に注目していきましょう。

 

【フォトギャラリー(GetNavi webにてご覧になれます)】