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2019/12/8 18:00

祝開業!都心乗り入れを果たした「相模鉄道」 —盛り上がる沿線模様を超濃厚レポート

【開業レポート④】新駅・羽沢横浜国大駅は時ならぬ人、人……

武蔵小杉駅の次の駅は羽沢横浜国大駅。この駅間は長い。15分も無停車のノンストップ区間となる。

 

前述した新鶴見信号場、鶴見川を通過、京浜東北線の鶴見駅を進行方向右手に見ながら走る。そして左手に京浜急行が見えてきたら、間もなく、長いトンネルへ入る。電車は生見尾トンネル、港北トンネルを通り抜け、左手にJR貨物の横浜羽沢駅に見えてきたら、間もなく羽沢横浜国大駅だ。相鉄線方面への分岐を通り駅構内へ入った。

↑開業2日目の羽沢横浜国大駅の様子。新駅開業ということで多くの人たちが下車していた。ちなみに駅前のバス停の名前は「羽沢貨物駅」から「羽沢横浜国大駅前」と変更されていた。ただしバスの本数は以前とあまり変わっておらず閑散区間の印象が強い

 

羽沢横浜国大駅には11月25日に訪れたばかりだったが、開業後ということもあり下車してみた。すると多くの人で賑わっていた。新しい駅ができたからと、見物に訪れた人たちが目立つ。鉄道ファンだけでなく、親子連れ、シルバー世代のご夫婦といった年齢を問わずさまざまな人たちが、降り立っている様子が見かけられた。

 

「コンビニもないんだ」という声が訪れた人たちの会話に出てくる。確かにそのとおり。現在は店が1軒もない。駅周辺を見た限りは都会の“秘境駅”と言って良い印象だ。駅構内にドリンクやパン類など販売する自販機しかない。とはいえ、1〜2年たてば、この駅周辺も大きく変って行くことだろう。

↑羽沢横浜国大駅構内の列車表示。日中は12〜16時台(JR線方面は11〜15時台)までは30分おきと少なめだ。相鉄方面へは日中は特急と各駅停車が交互に走る

 

↑駅構内には駅開業の記念スタンプも用意され、行列となっていた。右上写真のような絵柄だが、もう少ししっかり押してくるのだったと悔やむ

 

現状の羽沢横浜国大駅では楽しめることがあまりない。駅のすぐ裏手に架かる歩道橋を歩き、眼下のJR貨物の横浜羽沢駅を眺めることや、記念スタンプを押す、またホームで写真を撮るぐらいだろうか。

 

一方、鉄道ファンにとって、裏手の東海道本線(貨物支線)を走る貨物列車の撮影が大きな魅力となりそうだ。特に早朝は上り貨物列車が、まるでラッシュ時の通勤電車ように頻繁に通過していく。

 

今は何もない新駅周辺だが、変化の波が訪れていることは確かなようである。

 

 

【開業レポート⑤】相鉄沿線を走るJR埼京線電車も新鮮だった

さて30分後に発車する海老名駅行きE233系電車に乗車して相鉄本線へ。西谷トンネルを走って3分ほどで西谷駅へ着く。

 

相鉄本線内では11月30日以前にすでにE233系の試運転が行われて、かしわ台にある車両基地にはE233系が停められていた。さらに新線開業後は、多くのJR東日本の車両が頻繁に走るようになったこともあり、相鉄の沿線模様も著しく変わったように感じた。

↑西谷駅の隣の駅、鶴ケ峰駅に到着するE233系乗入れ電車。こうして相鉄電車とすれ違う風景も、徐々に見なれたものになっていくことだろう。鉄道ファンの少年たちがしきりに乗入れてきた電車をホームで撮影していた。黄色い線の中に入らないよう注意しようね

 

新線から相鉄本線へ乗入れる列車は、早朝の列車をのぞき、ほとんどが海老名駅まで走る。

 

ちなみに電車の前面のLED表示だが、相鉄本線へ乗入れ電車はJR線内では、「各駅停車 海老名」という表示と、「各駅停車 埼京線 相鉄線直通」「各駅停車 相鉄線内特急(または「各停」)」という表示が順番に掲示されていた。

 

一方、相鉄線からJRへの乗入れ電車の表示は、「特急(もしくは普通)新宿」という表示と、「特急(もしくは普通)JR埼京線直通」が表示される。

↑海老名駅近くを走る新宿駅発、海老名駅行きE233系電車。乗入れるほとんどの列車が海老名行きとなる。相鉄線内ではまだ見慣れない車両というものの、今後は相鉄本線ではごく普通の光景となっていくことだろう

 

帰りも新線を走る新宿行き電車に乗車した。海老名駅で折り返し電車の発車を待っていると「この電車はJR線直通、特急新宿行きです」と何度もアナウンスされていた。相互直通運転が利用者に認知されるまで、こうしたアナウンスが繰り返し流されることになるのだろう。

 

海老名駅発の新宿行き電車は、途中の大和駅付近までは、乗車している人がまばらだった。二俣川駅付近からの乗客は増えたが、少なめだった理由は休日の夕方だったせいだろうか。ちなみに開業日、沿線を通り過ぎる日中の列車を眺めると、新宿行きの列車の方がやや混んでいるように感じた。

↑海老名駅を折り返す特急新宿行き。前面には「特急新宿」という表示と、「特急 JR埼京線直通」(左上写真)という文字が交互に出されていた。ちなみに、E233系を撮影する時には125分の1以下だとLED表示器がきれいに写るようだ

 

海老名駅や大和駅は、小田急電鉄という強力なライバル路線との接続駅となっている。目的地が新宿駅ならば、小田急を利用した方がやはり早い。

 

そのためもあるのだろう、海老名駅〜大和駅間では、相鉄本線内での移動のために乗車する人がいたものの、新線を使って東京都内方面へ向かう人は少なめのようだった。

 

一方で、二俣川駅前後の駅やいずみ野線を利用する人にとって、相鉄・JR直通線は魅力あるものになりそうだ。渋谷、新宿方面だけでなく、途中、武蔵小杉駅で乗り換えれば、品川、東京方面へ行くのにも便利になる。

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