ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載。今回は2019年型カマロの最強グレード「SS」に乗りました! 最新アメリカンマッスルの味わいとは?
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永福ランプ(清水草一)
日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっています。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更しています。
安ド
元ゲットナビ編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいます。
【今月のクルマ】シボレー/カマロ
SPEC【SS】●全長×全幅×全高:4785×1900×1345㎜●車両重量:1710㎏●パワーユニット:6153㏄V型8気筒OHVエンジン●最高出力:453PS(333kW)/5700rpm●最大トルク:617Nm/4600rpm●燃費:非公表●490万円〜630万円
「特大ハンバーガーにケチャップ大盛りのカッコ良さだな!」
安ド「殿! カマロ は最高ですね!」
永福「最高だったか!」
安ド「はい! なによりまずカッコ良いです! 顔付きとかリアフェンダーの膨らみとか、ホントにホレボレしました!」
永福「特大ハンバーガーにケチャップ大盛りのカッコ良さだな!」
安ド「時代には逆行しているかもしれませんが、453馬力を誇るV8の6.2ℓOHVエンジンも最高でした!」
永福「自動車税も、最高額の年11万1000円だ!」
安ド「最高額ですか!」
永福「うむ。6ℓ以上は最高額。それより上はない」
安ド「さすがカマロ SSですね!」
永福「税金だけでも頂点を極めた感じがするな!」
安ド「音に迫力があって、腹に響いて気持ち良かったです!」
永福「デロロロロロッ! という伝統のOHVサウンドを守っていてくれて、涙が出るぞ」
安ド「ただ、マンションの脇でエンジンをかけた瞬間、ブォォォオオーン! と大音量を響かせたのには困りました!」
永福「ご近所が『テロか!?』とビビるかもしれんな」
安ド「スポーツ&トラックモードに切り替えると、性格が急変するのにも驚きました。急に荒々しくなって、時速100㎞でもドキドキしながら走れました!」
永福「最高の発進加速を可能にするラインロック機能は試したか?」
安ド「はい。設定が難しくて、なかなか成功しなかったんですが、踏切の一時停止でいきなり成功しちゃって、ブワワワワン! とホイールスピンしてビビリました!」
永福「それはビビるな!」
安ド「後ろのクルマもビビッたと思います!」
永福「周囲をビビらせてナンボのクルマだからな!」
安ド「殿はラインロック、いかがでした?」
永福「いや、年寄りゆえ、操作がサッパリわからなかった」
安ド「僕も成功したのは踏切の1回だけです! それも、いろいろ試してたらいきなり白煙を上げながらスタートしてビビりました!」
永福「さすがカマロ SSだな!」
安ド「さすがカマロ SSです! ATなんて10速ですから!」
永福「わしは10速には一度も入らなんだ」
安ド「10速あっても燃費はリッター5㎞くらいでした!」
永福「さすがカマロ SSだな。しかも驚いたことに、日本で売られているカマロは、SSの下のグレードはいきなり2.0ℓになる」
安ド「えっ! 6.2ℓの下は2.0ℓですか?」
永福「高効率を誇る4気筒の2.0ℓターボだ。ATは8速だが、こっちならリッター10㎞も夢ではない」
安ド「馬力も275馬力と十分あるんですね!」
永福「税金も3分の1だぞ」
安ド「グラッと来ますね……」
【その1/リアシート】和製クーペより空間は少し広い
いまどき珍しく、ヘッドレストが付いていないので、後方から衝突されたときのムチ打ちになりそうで心配です。アメリカでアメリカ人が乗るために設計されたクルマらしく、日本のスポーツクーペのリアシートよりは少しだけ広いです。
【その2/エンブレム】ポッカリ空いた穴は何のためのもの?
シボレーといえば、「ボウタイ(蝶ネクタイ)」のマークが有名ですが、このフロントエンブレムは、中央が空洞になっています。実はここが空気の通り道になっていて、エンジンルームにより多くの風を流すことができるそうです。
【その3/ヘッドライト】レトロテイストにシャープさを追加
先代の5代目モデルは、名車と謳われた初代カマロのレトロデザインを蘇らせましたが、この6代目ではそれをさらにシャープでスポーティなイメージに進化させています。ヘッドライトは薄型ながら、鋭い眼光を放っています。
【その4/ブレーキ】有名ブランド品を装着し強力な制動力をゲット
世界的に名の知れた「Brembo(ブレンボ)」社製のハイパフォーマンスブレーキシステムが前後に搭載されています。大排気量エンジンの強大なパワーを受け止めるため、ブレーキにも強大な制動力が必要になるのです。
【その5/10速AT】段数を多くすることでスムーズな走りを実現
世界の主流が6速から8速であるなか、カマロのATは8速から10速へとさらに段数が増やされました。シフトチェンジの回数が増えることで、設計上は走行がよりスムーズになり、レスポンスと燃費性能も向上します。
【その6/コンペティティブモード】ハードな隠しモードが出現!
「ツーリング」「スポーツ」「トラック」「雪/凍結」と4つの走行モードがありますが、「TRCオフ」ボタンを2度押すと、よりハードな走りを楽しめる「コンペティティブモード」が登場。ゲームの隠しコマンドみたいです。
【その7/インパネ】雰囲気は豪快だが装備は最新鋭
アメリカンで豪快な雰囲気のインパネデザインですが、上質なレザーやシートヒーターなど、装備が充実していて快適です。もちろん最新のクルマらしく、ドアミラーの後方警告灯や障害物検知アラートなども搭載されています。
【その8/排気音】鳴り響く迫力のエキゾースト
マフラーは4本出しで迫力のあるルックスですが、排気音はそれに輪をかけてド迫力です。特に「スポーツ」や(サーキットなどで使う)「トラック」モードにすると、音量も変わり、エンジンをかけただけで低音が響き渡ります。
【その9/ラインロック機能】タイヤを空転させて白煙を巻き上げる?
前輪だけブレーキをかけつつ、後輪を空転させてタイヤ温度を上げ、グリップ力を高めるのが「ラインロック」機能です。ブレーキを踏み続けるとディスプレイ上のゲージが上がり、白煙を上げながらスタートできます。
【これぞ感動の細部だ!/エンジン】時代が変わっても大排気量を諦めないアメリカの魂
長めのエンジンフードの下には、6.2ℓV型8気筒エンジンが搭載されています。「小排気量&小型化」がトレンドとなっている昨今、世界的にも8気筒は貴重で、日本で採用しているのはレクサスのみ。最高出力は453馬力を発生し、4秒ちょっとで時速100㎞に到達します。ただしトップグレードの「SS」以外は、2.0ℓ直列4気筒です。
撮影/我妻慶一
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