先日、レクサスから『DINING OUT RYUKYU-URUMA with LEXUS』の招待状が、編集部員の元に届きました。もちろん乗り物担当の筆者としては同イベントへ参加にすることを即決。同イベントは沖縄の歴史と文化を五感で触れられる素晴らしい1日でした。
18回目となるDINING OUTは、沖縄県うるま市が舞台!
そもそもDINING OUT with LEXUSとは、各地域で野外レストランを開催する企業「ONESTORY」の取り組みにLEXUSが協賛したプロジェクト。トップシェフやクリエイター、開催場所の地元の方々(今回は沖縄県)と創り上げ、日本の新たな愉しみ方を具現化するイベントです。LEXUは、その日その時しか経験できない唯一無二の体験に共感し、 LEXUS 車による送迎とドライビングプログラムで本イベントをサポートしています。
今回で第18弾となる舞台は、沖縄本島の中部に位置し、歴史ロマンと豊かな自然があふれる、沖縄県うるま市。雄大な歴史と文化を感じる、沖縄最古の城である世界遺産「勝連城跡」や、4つの島々を繋ぎ、東洋一の長さを誇る「海中道路」から臨む果てしなく澄んだ蒼い海など、沖縄らしい景色が広がる場所です。
1月18日~1月19日の2日にわけて開催された本イベントは、LEXUSのフラッグシップモデルのLSをはじめとしたLEXUS車によるホテルと会場の送迎。さらに自らハンドルを握って、その地域をドライブ(試乗体験)できる「LEXUS ドライビングエクスペリエンス」も楽しめました。
筆者は早朝、東京・羽田空港から出発し、11時過ぎに沖縄・那覇空港に到着しました。那覇空港から移動し、近くの駐車場に用意されていたのは「LS500h」。元々国産セダン雑誌育ちの筆者にとって、LSは憧れの最上級車種の一つでした。さすがLS、車両から放たれているオーラは抜群。しかも、試乗したのは5代目モデル最上級グレードの“エグゼクティブ”。飛行機で爆睡していて、ボーッとしていた頭の眠気もおかげで吹っ飛びました。
運転席に乗り込んだ瞬間から伝わる、インテリアの質感は高級そのもの。以前UXを試乗したこともありましたが、日本の匠たちの技が備わっているだけあり、シートの快適性やスエードの触り心地は比になりません。いざ走らせてみると、乗り味は最高級サルーンとして“文句のつけどころがない”といえるレベルにあると感じました。ボディサイズは全長5235×全幅1900×全高1460mmで、優越感も申し分ないです。那覇市から北上し、国頭郡恩納村のホテル「ハレクラニ沖縄」まで沖縄の空気を感じながら、あえて一般道を走行。エコノミークラスで約2時間座っていた腰の痛さがあったものの、さすがLSの居住空間といったところでしょうか。約3時間運転しても、降車後はまったく腰の痛さが気になりませんでした。
快適なドライブを楽しむ途中立ち寄ったのは、おんなの駅「なかゆくい市場」。地元で採れたシークワーサーやスターフルーツといった沖縄果物、ゴーヤといった島野菜が販売されている産直市場です。“なかゆくい”とは、一息・休憩という意味があり、立ち寄ると一息つける、不思議な魅力がある場所でした。
そしてパンやにぎり寿司、揚げ物、かき氷などフードコートが立ち並ぶなか、筆者が食べたのは沖縄そば。そばは細麺でストレートに近い、あっさり味のスープとの相性が抜群。強調しすぎないやさしい味は、思わずスルスルと食がすすみます!
海中道路を走り、到着したのはパワースポット
一息ついたところで再出発。そして集合場所のホテル、ハレクラニ沖縄に到着後、本イベントのメインとなるDINING OUTの会場へ移動しました。その移動手段として、運転手付きのLSやES、RXが用意されていたのです。運転手は地元・沖縄県のタクシードライバーで、同イベント用に“おもてなし”の教育を受けた運転手たち。筆者は他のプレスの方々とRXに乗車しました。
筆者たちの車両のドライバーは女性。そのドライバーからは、沖縄の歴史やローカル話、そしてドライバーの身内話。たまに沖縄方言がありつつ繰り広げられるトークは、本州育ちの筆者にとって新鮮。旅行先の居酒屋で初めて知り合った地元の人と打ち解け、いろいろ話すのと似た感覚がありました。これもおもてなしの一つなんだろう、と思いながら到着したのがレセプション会場。
LEXUS車の送迎でゲストたちはレセプション会場となった浜比嘉島の浜辺に到着。浜比嘉島には「シルミチュー」というパワースポットがあります。シルミチューは、浜比嘉島に降り立った女神アマミキヨ(アマミチュー)と男神シネリキヨ(シルミチュー)、男女の祖神が居住したといわれる聖地。今も霊場として祀られていて、多くの方が参拝に訪れるそうです。そのシルミチューへ筆者たちは向かうのでした。
浜辺では、このDINING OUTのホストを務める中村孝則氏が登場。中村氏の挨拶のあと、ウエルカムシャンパンを楽しみました。
中村氏の声かけで、順に森へと続く石段に向かいます。登るにつれ、神秘的な空気に包まれ、百段近くある石段の最上段に近づくと、鉄の柵に囲まれた鍾乳洞が見えてきました。これがシルミチュー。通常は見学できない洞窟の内部を、当日は特別に見せてもらいました。順番に洞窟の中に入り、しばらく立ち止まり、筆者は旅の無事を祈りました。
それぞれ参拝をした後は階段を降り、またLEXUS車へ乗車。時刻は18時30分、陽が落ちてきて辺りは暗くなりはじめました。そして、いよいよ本イベントDINING OUTのメインとなる野外レストラン会場へ向かうのでした。
ポップアップユニットがポップアップレストランにておもてなし
18回目にしてDINING OUT初の世界遺産での試み、今回は勝連城跡が舞台。15世紀、王権を強固なものにしつつあった琉球王国に最後まで抵抗した勝連国の城主、阿麻和利の居城で、沖縄の世界遺産の中で最古の城として知られています。
その城壁を正面に眺める草原がこの日のディナー会場。テーブルは背後にフルオープンの厨房を従え、目の前に勝連城跡が見えます。日没後の気温は10度前後とまだ肌寒く、正直「インドアでお願いしますよ〜」と思っていた筆者でしたが、この景色を見てその考えも改めました。
今回の料理長は今注目のガガン・アナンドシェフと福山 剛シェフからなる、ポップアップユニット「GohGan」。ガガンシェフはインド・コルカタ出身。世界が注目を集まる「Asia’s 50 Best Restaurants」において4年連続1位に輝き、2019年の「The World’s 50 Best Restaurant」では4位を獲得した方。対して、福山シェフは福岡県出身。2016年には、九州で初めて「Asia’s 50 Best Restaurants」に選出され、2019年には24位にランクインを果たした方です。ガガンシェフと福山シェフが挨拶をすると、会場からは待ってました、とばかりの大きな拍手が。
全15皿のコースには、ガガンシェフの料理哲学ともいえる「5S」が散りばめられています。5Sとは、「Sweet(甘い)」、「Salty(しょっぱい)」、「Spicy(スパイシー)」、「Sour(酸っぱい)」、そして最後が「Surprise(驚き)」です。
口の中で弾ける「ヨーグルトエクスプロージョン」や、カトラリーを使わず皿を舐めあげて食べる「3種芋のリキッドアップ」など、驚きの連続でした。
キッチンスタッフやホールスタッフたちも沖縄在住の人たちで固め、当日の料理のために沖縄中から最高級の食材を用意したと言います。アルコールやドリンク類も食事に合わせたペアリングが用意されていました。
ディナーの中盤に、ライトアップされた勝連城跡を舞台に現代版組踊「肝高の阿麻和利」が披露されました。演じたのは地元の中高生たち。
見たこともない形状、味わったことのない食感、多彩なプレゼンテーションで皿の数だけゲストを驚かせながら、過ぎゆく時間は、家族や大切な仲間と絆を深める食卓でした。たくさんの幸せも感じたせいか、1皿1品で15品でもお腹がいっぱいになるものですね。
DINING OUTは、食を通じて、地域に残された自然・文化・歴史・地産物などを再発掘・再編集し、世の中に効果的に発信するための地方創生イベントでした。これからも時代の先端をゆく料理人やクリエイターたちが、地域の人々と一体となって、各地の新しい魅力を引き出してくれることでしょう。ユーザー目線で考えると、いろいろなサプライズを体験できるので、一度参加して欲しいイベントと感じました。
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