多少値が張り嵩張っても、装着性、走行性、耐久性に優れる「非金属チェーン」
ーーお話をうかがっていると、多少値が張り、嵩張ったとしてもチェーン性能だけを考えれば、非金属チェーンが最も優秀なチェーンのように思えます。
帶川 これはお使いいただく方それぞれの判断によりますが、確かに非金属チェーンが最も耐久性に優れていることも確かです。未使用の状態であったり、しっかりメンテナンスをして保管すれば、5~7年くらいは使うことができます。
ーーザックリ言うと、クルマを購入した際、そのクルマに合わせて「非金属チェーン」を買っておけば、かなり長く使うことができるという。
帶川 もちろん、どれくらい使うかにもよりますけど、持っていれば安心ですし、早めにご準備していただくに越したことはないと思います。
ーー装着面でも「非金属チェーン」はさほど面倒ではなさそうに見えます。
帶川 はい。装着に関しては布製チェーンが一番簡単で、金属チェーンが一番手間は掛かりますが、前述のようにそれぞれメリット・デメリットがあります。そこも加味して考えると、やはり非金属チェーンが最も使いやすいことは確かです。
チェーンを装着する際のシチュエーションって、雪が積もっていたり、地面も必ずしも平らではないかもしれません。こういったシチュエーションで作業をするわけですから、購入と合わせて装着方法も事前に知っておくと良いと思います。
ーーそれを実際に見せていただけますか?
帶川 わかりました。
よくわかる「非金属チェーン」の装着方法(バイアスロン クイックイージーの場合)
タイヤチェーンのメンテナンスは?
ーータイヤチェーンを使用していない間のメンテナンス方法はありますか?
帶川 金属チェーンはもちろんですが、非金属チェーンであっても、一部に金属の部品が使われています。雪道には、だいたい「凍結防止剤」というものが使われていて、これによりチェーンの金属の部分が錆びてしまうことがあります。
ですので、使われた後は、その凍結防止剤を落とすために水洗いをし、しっかりと乾かした後に保管するのが良いです。錆びたままですと、いざチェーンを付けようとした際に切れてしまう。または、走行中に切れてしまうといったトラブルを招いてしまいますので。
ーーよく、雪が溶けた道路を、チェーンを付けたままガリガリガリガリ走っているクルマを目にしますが、あれもダメですよね。
帶川 はい。タイヤチェーンはあくまでも雪道で使うように作られていますから、雪が積もっていない道路での使用はチェーンの劣化に繋がりますし、アスファルトも削ってしまうので、雪が溶けた場合はできるだけ早めに外しましょう。
ただ、だからといって、雪道と雪道を繋ぐ、雪が積もっていないトンネル内でいちいち外すというのは現実的ではないので、こういう場合は速度を落として、走行しましょう。実際商品によっては、すごく長い関越トンネル向きとして「関越トンネルでも、装着したまま走れる」ことを売りにしているタイヤチェーンもあります。
ーー話を聞いていると、やはり日頃からタイヤチェーンを積んでおくことに越したことはなさそうですね。
帶川 もちろんそうです。雪が降り始めてからタイヤチェーンを買いに行こうとしても、まずカー用品店までにクルマで買いに行くのが危ないですし、タイヤチェーンはタイヤサイズごとに違いますから、自分のクルマに適合するチェーンが売り切れている場合もあります。やはり、早めに準備しておいていただくことは大切だと思います。
いくら暖冬と言えど、すでに何度かの雪を経験した首都圏。今後も雪が降る可能性は十分ありますので、帶川さんの解説を参考に、ご自身にピッタリのタイヤチェーンをご準備されることを強くオススメします!
撮影/我妻慶一
【フォトギャラリー(GetNavi webにてご覧になれます)】