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2020/5/18 21:00

カーナビ業界に「フローティング」トレンド来てる? 「彩速ナビ」最新型の注目ポイント

ケンウッドはAVナビゲーションシステム“彩速ナビ”の新製品として、9v型画面サイズを持つ「MDV-M907HDF」「MDV-M907HDL」と、7v型画面サイズを持つ「MDV-M807HDW」「MDV-M807HD」の計4モデルを5月下旬より順次発売します。価格はすべてオープンですが、想定売価はMDV-M907HDFが13万5000円(7月上旬発売)、MDV-M907HDLが12万5000円(5月下旬発売)、MDV-M807HDW/MDV-M807HDが8万5000円(5月下旬発売)としています。

↑“フローティング”機構を備えた9v型“彩速ナビ”MDV-M907HDF。車両はダイハツ・ロッキー

 

車内のどこからでも鮮明に視聴できる広視野角のディスプレイ

今回発売する4モデルは、高画質HDとハイレゾ音源再生に対応する、“彩速ナビ”の上位シリーズ「TYPE M」です。その中で注目なのは、“彩速ナビ”初となるフローティング機構を採用した上で、9v型大画面を実現したMDV-M907HDFです。

↑フローティング機構を採用したMDV-M907HDF。装着車はセレナ

 

フローティング機構とはディスプレイ部を浮かせて装着する手法のこと。パナソニックやアルパインなどで採用されており、画面部分がナビ本体から浮いたように装着されます。これによって、従来は大画面ディスプレイの取り付けが難しかった車種への装着が可能となったのです。対応可能となったのは230車種以上。これまで大画面化をあきらめていた車種でも9v型大画面を取り付けられるというわけです。

↑フローティング化によりディスプレイ部の上下チルトも実現。外光の反射も防止できる

 

操作系スイッチは正面右側にシフトして用意されました。運転席から近くなることに加え、ディスプレイが浮いていることで操作部が手前になって使い勝手は格段に向上。フラットな静電タッチキーの採用で見た目にも美しく、スマートなインターフェースを実現しています。

 

ディスプレイが浮いているということで走行中の振動も気になるところですが、ケンウッド独自の機構技術によって走行時の振動によるディスプレイの不快なブレを大幅に低減。走行中でもブレない高い視認性を確保したということです。

↑フローティング機構を採用したMDV-M907HDF。装着車はステップワゴン

 

一方、同時発表のMDV-M907HDLは、大画面9v型を実現しながらインダッシュ化を実現したモデルです。9インチ開口のあるトヨタ車にフラット装着が可能で、対応車種はRAV4/ヴォクシー/ノア/プリウス/C-HR/ハリアーの6車種となります。

↑トヨタの6車種にインダッシュ搭載が可能な9v型“彩速ナビ”MDV-M907HDL

 

MDV-M907HDF、MDV-M907HDLのディスプレイはHD(1280×720p)解像度に対応した他、従来比約1.3倍の高輝度カスタムLEDバックライトのを組み合わせによって豊かな色彩とリアルな精細感を実現しています。さらに本体にはHDMI端子を備え、スマートフォンやデジタルカメラなどの映像をケーブル1本で大きなナビ画面で楽しめます。

↑ディスプレイの解像度はHD規格の1280×720pとなったことで精細度は2.4倍にまで向上した

 

↑手持ちのスマホやデジカメなどの映像をHDMIケーブル1本で再生できる

 

7v型画面サイズを持つMDV-M807HDW、MDV-M807HDは、末番の“HDW”が幅200mmのワイド2DIN型で、“HD”は幅180mmの2DIN型となります。こちらもディスプレイの解像度はHD(1280×720p)解像度を持ち、画面サイズこそ小さいものの、高精細な映像が楽しめるのは「TYPE M」ならではのスペックと言えるでしょう。

↑トヨタ車など向け7v型ワイド2DINの“彩速ナビ”MDV-M807HDW

 

↑2DIN型に収まる“彩速ナビ”MDV-M807HD

 

4モデル共通の仕様としては、まず広視野角なディスプレイがあります。従来比約1.3倍の上下左右170度にまで広げており、車内のどこからでも鮮明に視聴できます。地図データもHD規格に最適化しており、地名や街区表示、ランドマークに至るまで、その表示品質を大幅にアップしています。また、リアモニターとHDMI接続して、ナビに出力されている映像をそのままHD品質で楽しめるモニターミラーリング機能も搭載しました。

 

スマートフォン連携にも対応しています。スマホアプリ「MapFanアシスト」や地図サイト「MapFan」と連携しており、サーバーを介して目的地や経由地をスマホからナビ側への転送を可能にしました。さらに、専用アプリ「KENWOOD Drive Info.」への対応や「NaviCon」にも対応しており、スマホとナビがシームレスにつながることで活用の幅は大きく広がること間違いないでしょう。

 

ケンウッド“彩速ナビ”と言えば、見逃せないのはハイレゾへの対応です。D/AコンバーターにはAKMのプレミアムDAC「AK4490」という32bitDACを採用し、すべてのソースを192kHz/32bitにアップコンバートして再生します。対応ファイルはFLACからWAV、DSDまでと多彩で、もちろんMP3やAACなどの圧縮音源もサポートしています。

 

ハイレゾ音源をBluetooth接続で転送できる高音質コーデック「LDAC」にも対応しており、手持ちのデジタルプレーヤーなどの最適にも役立ちます。さらに高音質CDとして知られる「MQA-CD」の再生にも対応しました。

 

“彩速ナビ”に相応しい、超快速な操作フィーリングはそのまま。好評のインターフェース「オーガニックGUI」を採用し、地図のスクロールもピンチイン/ピンチアウトもスムーズそのものです。まさに大画面時代のナビとして最先端のスペックを備えた新たなナビが誕生したのです。

 

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