【甲信越地方のおすすめローカル線】
JR東日本 小海線(小淵沢駅〜小諸駅78.9km)
これからが最も楽しめる季節! 日本最高所を走る高原鉄道
起点となる小淵沢駅ですでに標高886.7mという高さで、駅舎からは八ケ岳、南アルプスの峰々が望める。発車すると徐々に標高を上げていき、高原列車の趣たっぷりだ。3つめの駅は清里駅。高原リゾートとして人気も高い。次の野辺山駅の間に県境があり、間もなく鉄道最高地点の標高1375m地点を越える。野辺山駅は駅として国内最高地点で1346mある。
野辺山駅がある南牧村は高原野菜の聖地でもある。夏期はハクサイ、キャベツ、レタス、ブロッコリーなど高原野菜の最盛期となる。そうした高原野菜が実る畑を車窓から眺めつつ、列車は高原を下っていき着いた駅が信濃川上駅。近くに千曲川が流れる。下れば信濃川となる日本一の長さを持つ河川のここが上流部分にあたる。路線はこの千曲川にほぼ沿って佐久平へ向かう。
小淵沢駅から終点の小諸駅まで通して乗ると2時間10分〜20分ほど。週末には観光列車の快速「HIGH RAIL1375」が運転される。普通列車はキハ110系に加えて、キハE200形が使われている。キハ200形は世界初の営業用ハイブリッド式気動車で、その技術は後に誕生したHB-E210系やHB-E300系などのハイブリッド式気動車にも生かされている。
長野電鉄 長野線(長野駅〜湯田中駅33.2km)
写真映えする風景が沿線各所に点在する名物路線
長野鉄道はその名前のとおり、長野県下に路線を持つ鉄道会社。かつては屋代線、河東線(かとうせん)といった路線網を持っていたが、現在は、長野駅と湯田中駅を結ぶ長野線のみとなっている。
長野線は長野市近郊の通勤・通学路線であると共に、湯田中・渋温泉、また志賀高原へアクセスする観光路線としての一面を持つ。そのために普通列車以外に有料の特急列車を走らせている。特急列車の1000系「ゆけむり」は、元小田急電鉄の10000形「HiSE」。また2100系「スノーモンキー」は元JR東日本の253系「成田エクスプレス」だ。こうした特急車両が100円(運賃は別)で乗れてしまうのがうれしい。しかも指定席ではないので、1000系の展望席でも空いていれば座れることができる。
同線は車両だけでなく、沿線の風景が秀逸。信州の山景色に加えて、四季の花々と雪景色が楽しめ、それが絵になる。こんな長野電鉄でいま鉄道ファンの注目する話題といえば3000系(元東京メトロ日比谷線03系)がいつ走り出すかであろう。新型感染症の流行で、運行開始が延期されているが、長野電鉄流のお色直しがされて、近々、登場することになる。
JR東日本 飯山線(豊野駅〜越後川口駅96.7km)
都会の対局「ふるさと(田舎)」の素朴な風景に包まれる
飯山線は長野県の豊野駅(とよのえき)と新潟県の越後川口駅の間を結ぶ。全線がほぼ千曲川、新潟県に入ると信濃川に沿って走る。路線の起点は豊野駅だが、列車はすべて長野駅発となっている。長野駅〜豊野駅間は現在、しなの鉄道が運営する区間となっているが、しなの鉄道の電車と併存する形で運行されているわけだ。
全線を通して走る列車は少なく、長野駅発→越後川口駅着が1日に4本。越後川口駅発→長野駅着は1本も運行されていない。途中、戸狩野沢温泉駅、もしくは十日町駅止まりで、同駅で乗継ぐ運行スタイルとなっている。
列車から全線に渡って楽しめるのは千曲川、新潟県内で名前を変える信濃川の流れ。また駅は素朴な造りの駅が多く、花木が楽しめる駅が多い。
おもに週末に走る観光列車「おいこっと」も名物に。東京の真逆、ふるさと(田舎)の雰囲気が楽しめるように、趣向を凝らした列車。車内で野沢名物の野沢菜漬や、長野・木島平産のお米で作ったおにぎりなどが楽しめる。
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