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2020/5/25 18:30

EVのスマホみたいなチャージ方法! 「走行中のワイヤレス充電」の開発が加速

専用の充電パットにスマートフォンを置くだけで、ケーブルを差し込まなくても充電できるワイヤレス充電の技術がすでに広く利用されています。それと同じように、道路の送電エリアをクルマが通過したときにワイヤレスで充電する技術の開発が進められています。これまでにも電気自動車を走行中に充電する技術の開発が進められていましたが、それより一歩先を行くのがこの走行中のワイヤレス充電技術です。

↑EVの充電も簡単になる

 

走行中の電気自動車に磁気を使用してワイヤレスで充電する技術の開発を進めているのが、米スタンフォード大学のエンジニアチーム。3年前にこのチームメンバーが、運動中の物体にワイヤレスで充電する初めてのシステムを構築しましたが、当初の技術では流れる電気のうち10%しか充電させることができなかったため、あまりにも非効率で、実用化には程遠いものでした。しかし、5月上旬に掲載されたニュースによると、最近では92%もの電気を充電することに成功したそうです。

 

その鍵は、使用していた増幅器をスイッチ可能なものに差し替えたこと。このタイプの増幅器は新しいものではありませんが、取り扱いが難しく適格な条件下でないと効率的に作動しないのだとか。そのため、この研究チームでは、スイッチ可能な増幅器の設計に数年を要したと述べています。

 

こうして開発されたプロトタイプでは、2~3フィート(61~91センチ)の距離で10ワットの電気をワイヤレスで充電させることに成功したのです。自動車の充電には数百キロワットの電気が必要で、この技術ではまだ不十分なことは確かです。ただワイヤレス充電にかかる時間は数ミリ秒とごく短時間であり、今後の課題はクルマのバッテリーがどれだけ速く電気をチャージできるかだけで、スケールアップは可能とこの研究チームは語っています。

 

磁気を使ったワイヤレス充電というと、自動車に乗っている人の健康へのリスクが心配されるかもしれませんが、この研究チームのメンバーは、安全ガイドラインの範囲内で自動車の充電に十分な磁場を作ると述べており、健康リスクの心配はいらないそう。

 

このような技術が発展すれば、電気自動車の最大のネックの1つである充電問題もじきに解決されそうですね。