2020年7月7日、LEXUSのフラッグシップモデル「LS」のニューモデルが世界初公開となりました。日本での発売は2020年初冬を予定しています。
LSは1989年のデビュー以来、30年以上にわたりLEXUSのフラッグシップを守。圧倒的な静粛性と快適性は乗ったことがある人なら納得いただけるはず。今回のニューモデルでもその静粛性と乗り心地の大幅な向上がはかられています。そして、単に静かに快適になったというだけではないのがLEXUSの進化であり深化なのです。
日本ならではの美意識を具現化
ますは新型LSの外観の主な変更点から見ていきましょう。新色の銀影(ぎんえい)ラスターは、時の移ろいや環境の変化の中で美しいと感じられる「月の道」をモチーフにしています。これは、満月前後の数日に見られる月明かりが海面上で細長い道となり、照らされた波のゆらぎのグラデーションが人を魅了する神秘的な自然現象です。ハイライトの美しい輝きと奥行きを感じる深い陰影感を演出しています。
アルミ蒸着を高密度で敷き詰める最新の塗装技術を用い実現したフラッグシップに相応しい新色となります。粒子感を感じさせない滑らかな質感は周囲の僅かな光を繊細にとらえ、様々な表情を見せる上質で特別なシルバーとなりました。
この新色だけでなく、新デザインでLEXUSのLを意識させる3眼ランプユニット。そして、そのクリアランスランプの下にはブレードスキャンAHSを搭載し、厚みのあるヘッドランプ形状により鋭く新しい表情を作っています。特徴的なスピンドルグリルのメッシュカラーはダークメタリックに変更され、よりフォーマルなシーンに配慮した上品さを表現しています。
リアスタイルはコンビネーションランプ内のメッキモールをピアノブラックに変更して厚みを感じるランプ形状としました。
Fスポーツではサブラジエーターグリルのガーニッシュをサイドまで回り込ませることでワイドなスタンスを強調させています。専用色のスピンドルグリルや20インチホイールなどのアイテムなどの採用でスポーティなイメージを際立たせました。
続いて、インテリア。
外観に合わせコーディネートされ、オーナメントに西陣や箔を新規に設定しています。西陣織の銀糸やプラチナ箔の輝きはまさに「月の道」。12.3インチのワイドディスプレイとスマートフォンを連携させることで画面操作、音声操作が可能なタッチディスプレイを採用しています。ハンドルとセンターコンソールのスイッチ類を黒で統一し、視認性の向上と端正な印象の演出をしています。そして使用頻度の高いシートヒーターやステアリングヒーターの操作画面表示スイッチをセンターコンソールに追加するなど、細かな操作性の向上にも抜かりがありません。
Lexus Driving Signatureの深化、上質な走りの追求
新型LSの走行性についてはどうなのでしょうか? LEXUSのフラッグシップモデルには人の感性を大切にし、進化させることが求められます。ドアをあけ、シートに触れ、座ったときに感じる上質感、安心感。LEXUSの世界はそこから始まっています。今回のモデルチェンジでシート表皮の縫い位置をより深い位置に変更し、ウレタンパッドに低反発素材を採用するなど、細やかに「人」の印象の向上を目指し他進化をしています。
シャーシ側では新たにAVSソレノイドを開発し、可変減衰力により減衰力の最適化が計られています。さらにランフラットタイヤの剛性とスタビライザーバーの剛性バランスの見直し、エンジンマウント内のオリフィス変更による減衰特性の変更など、振動の吸収と新たなシートの座り心地がもたらす快適性は筆舌に尽くしがたいものです。ドライバーズシート、それ以外のシートそのどこに座っても感じることのできる「落ち着いた上質」こそがLSの世界といえます。
ハイブリッド車のLS500hの加速時のバッテリーアシスト量を見直し、使用頻度の多い走行領域での加速時にパワーアシスト量を増加しています。発進加速時のエンジン回転数も低減させ、余裕を感じさせながら静粛性を増す絶妙なセッティングが施されています。また、ガソリンエンジン車のLS500では使用頻度の多い走行領域でのトルクの立ち上がりを向上させ、加速時のパフォーマンスを大きく向上させています。
そのトルク特性の変化によって、シフトスケジュールをより効率よく見直すことに成功しました。各ギアでの加速領域の拡大に伴い、加速時の余計なシフトダウン頻度を低減しています。LS500h、LS500共にANC(Active Noise Control)/ESE(Engine Sound Enhancement)のチューニングの変更による静粛性の違いには驚かされるはずです。
LEXUS Teammateって何?
人の感性に寄り添った最新の高度運転支援技術を「LEXUS Teammate」と呼びます。これはクルマが人から運転を奪うのでも、人に取って代わるのでもなく、『人とクルマが気持ちの通った仲間のようにお互いを高め合い。共に走る』というトヨタ自動車独自の「Mobility Teammate Concept」に基づいて開発されています。特にLEXUS TeammateではPerceptive(高い認識性能)、Intelligent(知能化)、Interactive(ドライバーとクルマの対話)、Reliable(信頼性)、Upgradable(ソフトウェア・アップデート)という5つの技術的特徴を備えています。
最新の高度運転支援技術によって、ドライバー監視のもと、高速道路などの自動車専用道路での運転において実際の交通状況に応じて車載システムが認知、判断、操作を適切に支援します。車線・車間維持、分岐やレーンチェンジ、追い越しなどをスムーズに実現します。ドライバーに信頼される安全優先の運転操作を追求し、アクセル、ブレーキそしてハンドル操作からも解放され、長時間の運転における疲労軽減が可能となります。それによってより周辺に注意を払った安全な運転を可能としているのです。
また、最新の駐車支援技術によって駐車場でのハンドル操作、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジに至るまでの全操作を車輌が支援します。カメラと超音波センサーによる全周囲監視と俯瞰絵像による切り返し位置や目標駐車位置を常に表示して安全/安心でスムーズな駐車を実現しています。
他にも、2019年8月にマイナーチェンジしたRXで世界初採用したブレードスキャンAHSを初採用。対向車や先行車を眩惑させることなく適切な配光を行い、ハイビームの広い照射範囲で歩行者や標識の認識を可能としました。さらに高解像度で大型なデジタルインナーミラーを採用し、後方の視認性も向上させています。
初代LSから追求してきたものは一貫して変わらない
最後にLEXUS International 佐藤 恒治社長からのメッセージを紹介しておきましょう。
「LSは、フラッグシップとしてイノベーションを追求し、常にお客様に新しい技術や価値を提供してまいりました。今回発表した新型の開発においては、初代から一貫して突き詰めてきた静粛性と乗り心地をさらに進化させ、高度運転支援技術Lexus Teammateの採用により、安全かつ安心なこれまでにない移動体験を目指しました。ドライバーは、アクセルやブレーキ、そしてハンドル操作などによる疲労が低減され、より運転に集中できるようになります。またクルマとドライバーの関係を熟知した自動車会社だからこそ出来る、敏腕ドライバーが運転しているような乗り心地を実現した運転支援と、クルマとドライバーが対話し、常にお互いの状況を正しく把握できるHMI(Human Machine Interface)が安心をもたらします。さらに、その開発を突き詰める過程では車両の基本性能も飛躍的に向上し、進化を果たしました。LEXUSは、これからも人間中心の考えのもと挑戦を続け、お客様お一人お一人のライフスタイルを豊かにする体験をお届けして参ります」。
人の感性と上質なハードとのコラボレーションを具現化している新型LEXUS LS。人間とクルマのよりよい関係に期待が持て、その発売が待たれます。
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