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2020/8/3 21:00

モンベルの「電動アシMTB」? どれぐらい凄いのか、オンオフ路を駆け回った

悪路での走破性は豪快そのもの!

試乗へと連れ出したMT-Eの存在感は、素晴らしいのひと言。まず、目を惹くのがファットなタイヤ。フロントサスペンションを備えたフレームは太めのデザインですが、それに負けない27.5インチの2.80という極太のブロックタイヤは電動アシストを武器に荒れた大地をグリップします。

 

アスファルト路面ではパターンノイズが大きく感じるものの、泥濘や草地などのフィールドでは大きな味方になってくれます。また、アシストを上手に使うためにはギア選択も重要になりますが、シマノ製の11速ギアはワイドレシオな設定となり、軽いギアを使って勾配のきつい上り坂も軽々と走り抜くことができました。変速はハンドルバーの右手側で行い、グリップを握りながら親指と人差し指で行うタイプ。操作感も軽く荒れた路面でも戸惑うことはないはずです。

↑ハンドルバーの左にはモード切り替え、表示切り替えのスイッチ。モードの切り替えはスイッチを上下させることで操作できる

 

↑右側にはギアのチェンジレバー。変速のタイムラグが少なく素早いギアチェンジが可能。操作感も軽い

 

↑リアの11速カセットは11-46T。軽いギアが設定されているので急勾配でもケイデンスを上げて登坂することができる

 

フロントにはサンツアー製のサスペンションを備え、130mmのトラベル量は必要にして十分。整地された路面ではアブソーバーの上部に備わるロックをONにすれば、ペダリングのパワーが分散することもなく快適に走ることができます。電動アシストの印象はトルク重視の印象があり、低いギアで踏み込んで行くことでミューの低い路面でも安定した走りを楽しむことができました。基本的に日本での電動アシストバイクはアシスト速度が24km/hまでとなり、スピードを求めるロードバイクよりも低速での使用が中心となるMTBにはアシストモーターの恩恵は大きいでしょう。

 

今回の試乗では地面が柔らかい草地を選んでみましたが、トルクフルなアシストによりパワーをロスすることなく走り回ることができました。また、同モデルには前後共にディスクブレーキが装備され確実な制動力を実感。急勾配のダウンヒルでも姿勢を乱すことなくゆっくりと下ることができるのはアウトドアシーンでは重要なファクターでしょう。

↑ペダルを踏み込んだ時のトルク感が頼もしく、パワーロスが激しい柔らかな地面でもグイグイとアシストしてくれることで簡単に走破できる。バッテリーの容量が大きく、最もパワフルなハイモードで95kmを走れるのは、アウトドアで使用するMTBとして大きなアドバンテージになる

 

↑シマノ製のディスクブレーキを採用。通常のリムブレーキとは異なり、雨や汚れに強く高い制動力を発揮する。勾配の強いダウンヒルでも安心してライドできるのはうれしい限りだ

 

溢れるトルク感とそれを受け止めるブレーキ性能を合わせ持つモンベルのシャイデック MT-Eは、自転車メーカーとは異なる大地へのリスペクトが込められています。外遊びの達人が手掛けた電動アシストMTB……その実力を一度味わってもらいたいですね。

↑シャイデック MT-Eの価格は、40万7000円(税込)。カラーはブラックネイビーの1色展開

 

【SPECIFICATION】●フレーム素材:アルミニウム合金 ●フロントフォーク:SR SUNTOUR ZERON35 BOOST LO-R ●クランクセット:SHIMANO E8000 ●ブレーキ:SHIMANO DEORE(前180mm/後160mm) ●スプロケット:SHIMANO SLX 11-46T 11速 ●ホイール:WTB STPi40 ●タイヤ:MAXXIS REKON+ 650B×2.8 ●ドライブユニット:SHIMANO STePS E8080 ●バッテリー:SHIMANO E8010(36V/14Ah) ●充電時間:約5時間 ●重量:21.8kg

 

 

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