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2020/10/21 17:00

Honda eに乗ってきました。最小回転半径4.3mの実力を迷路のようなコースで試乗

迷路コースを難なくクリアする理由

エンジンがかかり、Dボタンを押すことで走行可能となります。アクセルペダルを踏み込めば通常のクルマ同様に前進。このコースでは走り始めるとすぐに最初の直角カーブが迫ります。クルマの四隅に気を配りますが、モニターでの内側の確認にも、ハンドルの切れる感じにも違和感はなく静かにすっと曲がります。きついと思っていた狭い直角カーブもスルスルとスムーズにクリア。最小回転半径4.3mを実現させる裏にはEV専用設計のシャーシの恩恵があります。

 

ガソリンエンジン、ハイブリッドカーはシャーシレイアウトのベースをガソリン車のものとしているのがほとんどです。対して、Honda eは当初からEV。重量物のバッテリーは低重心化し、もしもの事故の衝撃から守るためにフロア下に敷き詰められるようにレイアウトされました。当初考えられていた前輪駆動から発想を変更。駆動輪を後ろにし、モーターもリアマウントにすることで、フロントにスペースの余裕をつくりました。通常のガソリン車よりも構造材の間隔を短くし、フロントサスペンション部に有効なスペースを生みました。

↑車両の床下にはバッテリーを格納する薄型IPU(インテリジェント・パワー・ユニット)を配置

 

そうして有効なスペースを利用してよく切れるステアリング機構となったHonda eが生まれました。しかしこのままではハンドルを切る量(=回転量)が増えてしまいます。Honda eでは可変ギアレシオを使い、小蛇角の時と大きくハンドルを切る時のステアリングギア比が変わりロック トゥ ロックは3.1回転で不自然さのないステアリング機構を生み出しています。地味な部分かもしれませんがHonda eの実用的な走りの魅力を大きく上げる機構といえるでしょう。

↑RR(リアモーター・リアドライブ)が可能にした大きく切れるステアリングにより、最小回転半径4.3mに

 

Honda e Advanceの高トルクと大パワー

Honda eにはベーシックグレードのHonda eとハイパワーグレードHonda e Advanceの2種類があります。今回試乗したのはハイパワー版のAdvanceでした。最高出力は113kW(154PS)と最大トルクが315N・m(32.1kgf・m)はこのコースでその実力を試すことはできませんでしたが、小回りがきくHonda eとこのコースに慣れてくると、かなり思い切った走りができるようになってきます。アクセルを深く踏み込むとレスポンスよく高トルクが発生され、見た目の可愛さを遥かに超えた加速をします。ノーマルモードとスポーツモードの実力はまた別の機会に広い道で試してみたいと思いました。

↑リアにはコンパクトかつ大出力のモーターを配置しています

 

Honda eは減速時にも楽しいドライビングを提供。通常のAT車のようなアクセル、ブレーキの2ペダル運転とシングルペダル運転の選択ができます。その選択もボタンを押すだけで完了。アクセルペダルを離すだけで減速が行われます。ハンドルの奥にあるパドル式の減速セレクターによってブレーキの効き具合を3段階にコントロールできます。これによりアクセルワークに集中できるスポーティーなドライビングが可能なことを確認することができました。

↑シングルペダルコントロールによって、加減速の切り替えをスムーズに行えます

 

ドライバーだけでなく同乗者を退屈させない

出先での充電時やドライブ中もHonda eはドライバーだけでなく、同乗者も退屈させません。5面のHonda Connectディスプレーは充電中にも走行中にも助手席の同乗者にも扱いやすく使用が可能です。また、ナビの情報など左右のモニターの情報を簡単にドライバーにも見やすく提供することができます。今回の迷路試乗では『街なかベスト』な乗り味の確認がメインでした。Honda eにはまだまだ魅力的なコンテンツが沢山あります。別のシーンでも試してみたいと感じました。その魅力が十分にあることは確かです。

 

Honda e 451万円(税込)/Honda e Advance  495万円(税込)

試乗車SPEC【Advance】●全長×全幅×全高:3895×1750×1510mm●車両重量:1540kg●モーター:交流同期電動機●最高出力:113kW(154PS)/3497〜10000rpm●最大トルク:315N・m(32.1kgf-m)/0〜2000 rpm●一充電走行距離WLTCモード:259km●交流電力量消費率WLTCモード:138Wh/km

 

 

撮影/野田楊次郎

 

 

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