インフォテイメントシステムに「ディスプレイオーディオ(DA)」を採用する動きが活発化しています。これまではカーナビゲーションが人気の中心でしたが、低価格で手に入れられ、使い勝手も高まったDAの認知度が高まっているのです。そんな状況もあり、市販カーオーディオメーカーからも同様の製品が相次いで登場するようになりました。今回はその中でも期待の新製品である、ケンウッド「DDX5020S」を紹介します。
DDX5020S、3つの特徴
まず「ディスプレイオーディオ(以下、DA)」について簡単に説明します。DAは基本的にナビ機能を省いたディスプレイ付きオーディオと言っていいでしょう。その上で、有線/無線で接続したスマートフォン内のコンテンツとして、iPhoneなら「Apple CarPlay」、Androidなら「Android Auto」を使います。そのため、本体にあるのは映像を表示するディスプレイと、音声をスピーカーで鳴らすためのアンプを搭載するのみ。これがDAと呼ばれる所以です。
DDX5020SはDAとして大きく3つの特徴を備えています。1つは他のDAと同様、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応していることです。iPhoneやAndroid端末を有線接続すると、それぞれApple CarPlay、Android Autoが自動的に起動。起動したらあとは見慣れたアイコンが画面上に表示されます。スマートフォン内のすべてのアプリが反映できるわけではありませんが、カーナビ機能や音楽再生、さらには通話機能などが6.8型の大きな画面で使えるようになるのです。車載という環境下では操作環境が著しく制限されますが、それを大きな画面で操作できるようになることで使い勝手が大幅に向上するわけです。
加えて音声でのコントロールが可能になることも大きなポイントです。Apple CarPlayなら「Siri」が、Android Autoなら「Googleアシスタント」が使え、それによって運転中であってもスケジュール管理や音楽再生、周辺スポットのチェックなどもハンズフリーのままで行えます。特に便利さを感じるのがカーナビ機能で目的地を探す時で、操作は音声で検索するワードを入力するだけ。一発で行きたいところを表示します。従来のカーナビのようにメニューからカテゴリーを絞って…なんてことは不要です。
2つ目は「USBミラーリング機能」への対応です。Android専用の機能ですが、スマートフォンで表示された動画内容がそのままディスプレイ上に表示されます。たとえば映像系のストリーミングサービスをスマートフォンで受信した場合、その映像が大きなディスプレイで見られるのです。操作はスマートフォン側で行いますが、音声は車載スピーカーから再生されます。ただし、著作権が保護されているコンテンツは対象外です。
そして3つ目が高画質&高音質であるということです。DDX5020Sの6.8型ディスプレイは表面に光沢処理が施されており、深みのある映像が再現できています。昼間は角度によって反射が気になることがありそうですが、色再現性では優れた一面を見せてくれるでしょう。操作キーは左側に縦一列で配置。各キーはピアノブラック調のフラットなベゼル上にホワイトイルミで表示されます。触った感じは良好な反応で、ボリューム操作やHOME画面の呼び出しが簡単にできました。
サウンド系では、デジタルtoアナログ変換を高精度に行える24bit DACを搭載。内蔵アンプは45W×4chと十分なパワーを備え、これを13バンドのグライコできめ細かく調整することができます。マニュアル設定にはなりますが、タイムアライメント機能も装備。低出力時に低音を心地よく聴かせるラウドネス、バスブースト機能も備えました。もちろんBluetoothにも対応し、スマートフォンに収録した音源をワイヤレスで転送。接続した際は再生中の楽曲タイトルなども表示可能です。