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2021/1/11 9:00

オーナーが語る! EVで変わったドライブ新様式

近年大きく広がりを見せているEV。次にクルマを買い換えるときはEVを選択したいと考えている人は多いのではないだろうか。そこでいち早く乗り換えたEVオーナーに、ランニングコストの変化、EVへの満足度、さらに生活がどのように変わったか話を聞いた。

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

リーフなら遠出も安心です。次はアリアを狙っています(和弘さん)

近場を頻繁に走るならEV以外は考えられません(郁子さん)

 

藤田郁子さん 藤田和弘さん

9年目となるi-MiEVと、4年目の現行リーフを所有。普段は郁子さんが近所の移動でi-MiEVを使うことが多い。週末は主に和弘さんの運転でリーフに乗っている。

 

街乗りも遠出もEVにしたら乗り方もコストも大きく変化

EVが続々と登場して選択肢になりつつあるなか、いち早くEVライフを満喫しているのが、東京都郊外に住む藤田さん夫妻だ。

 

「8年前、三菱i-MiEVの試乗会で、モーターがダイレクトにつながったEV特有の走りの良さを味わいました」(和弘さん)

 

これからはEVだと確信した和弘さんはi-MiEVを購入。3年後には日産リーフも購入し、完全なEVライフをスタートさせた。

 

それ以来、EVならではの走りを満喫している。ガソリン車と比較してスピードやエアコンのオン/オフなど、走り方や使い方で電費が大きく変わるのも面白い点だ。

 

「リーフで大阪に帰るときは途中で2、3回充電しています。家族は待ち時間に不満があるかもしれませんが、運転手にとってはちょうど良い休憩時間です。さらにバッテリー容量が大きい新しいEVなら1回の充電で大阪まで行けそう。充電にかかる時間をそれほど気にせず走れますよ」(和弘さん)

 

【Q.1】EVに乗るようになって、以前とランニングコストはどのくらい変わりましたか?

A.私は年間で約16万5000円節約できました。いま契約できるプランでも半額以下になると思います。

 

年3、4回の帰省を含めて、年間1万5000kmを走行する藤田家。燃費9.5km/L、ガソリン代を130円/Lで計算すると、1年間に約20万5000円のガソリン代が必要だった。

 

「2台のEV車はおトクな夜間電気代プラン(12.48円/kWh)で充電しています。この電気代と外出先で充電するための充電カードプランの費用が月額2200円。すべて足すと年間のコストは約4万円です。私のプランは現在新規契約できませんが、それでも半額以下になると思います」(和弘さん)

 

 

【Q.2】EVは定期的に充電が必要ですが、その作業は面倒ではないですか?

A.購入当初は充電し忘れたこともありましたが、いまでは習慣化して面倒に感じることもありません

 

「i-MiEVに乗り換えてすぐは、充電を忘れて翌日にバッテリーが少なくて困ったこともありましたが、もう習慣化しました」(郁子さん)

 

「電気代の安い夜間時間帯になると自動的に充電するシステムがあるので、帰宅後にプラグを挿すだけです」(和弘さん)

 

↑自宅での充電ならケーブルをEVの充電コネクタに挿すだけ。藤田さんは2本の充電用ケーブルを所有し、i-MiEVとリーフを同時に充電することが可能だ

 

【Q.3】EVの走りには満足できていますか?

A.振動がない、エンジン熱がない、燃料の臭いもしないし、トルクにも大満足……楽しいコトばかりです

 

「初めてi-MiEVに乗ったときのモーターの走りに感激して購入しました。ゼロからトルクのある走りができるのはEVならでは」(和弘さん)

 

「振動やガソリンの臭いがないのが何より良いですね。車検のときなどに代車でエンジン車に乗りますが、戻れないと痛感します」(郁子さん)

 

↑EVはモーターの回転を直接タイヤに伝える。アクセルを強く踏み込むとモーターの回転数も比例して急激に上がり、エンジン車にはない加速も可能だ

 

【Q.4】長距離ドライブでは出先で充電が必要になります。充電場所探しに困ることはありませんか?

A.充電網が整備されているので安心ですし、充電を考慮したルートが設定できるので困りません

 

リーフはフル充電で実質約200km以上走行可能で、充電できる場所もスマホアプリで簡単に探せる。

 

「9年前と違っていまは充電網が整備されていて困ることはありません。リーフのカーナビでは充電スポットを考慮したルート探索もできますよ」(和弘さん)

 

↑高速道路の主要なSAやPAには急速充電器が設置されている。大きなSAだと複数台の急速充電器が設置されており、順番待ちすることも多くない。

 

【Q.5】EVに変えて良かった! と思うことを教えてください

A.家庭の電源としても使えるのはとても便利ですね。EVを通じて仲間も増えました。加えて電気のありがたみも意識するようになりました

 

i-MiEVの購入と合わせて自宅にソーラーパネルを設置するなど、一気に生活を電化した藤田家。

 

「日中の家の電気はリーフのバッテリーから給電しています。おかげで電気代は月8000円前後。EVを通して仲間も増え、情報交換ができています」(和弘さん)

 

↑リーフへの充電も自宅への電源供給も、専用のEVパワーステーション経由で行っている。アプリやタイマーで管理できるのでコネクタを挿すだけだ

 

【COLUMN】多くの自治体と協定を締結し災害時は電源車として活躍する

リーフは他のデバイスに給電することも可能。そのため日産は多くの自治体と災害時に停電が発生した場合の給電に、リーフを活用する協定を締結している。昨年10月、台風により大規模な停電が発生した千葉県でも活躍した。