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2021/1/4 17:00

2021年、ダイヤ改正や車両情報以外で楽しみな「鉄道関連のトピックス」3ネタ

2020年は、毎日の通勤・通学や旅行など、“人の移動”に関する意識が大きく変わった1年となった。今回は、時代の変化に合わせた移動に関する新トレンドを3つ紹介する。

 

【その1】利用可能エリアが一挙に拡大する「伊豆MaaS」

MaaSとはMobility as a Serviceの略で、IoTにより様々な交通手段を1つのサービスとしてまとめ、ユーザーがシームレスに利用できることを目的としたもの。

 

伊豆半島をスマホひとつで周遊可能にすることを目指して実証実験を重ねてきた「Izuko」は、現在3度目の実証実験を実施中。従来よりも実施エリアがより広がり、利用可能な観光施設も格段に増加。体験型のアトラクションも加わり、1泊2日の伊豆旅行を想定した、充実したプログラムが用意されている。

↑利用可能エリアはこれまで東伊豆・中伊豆のみだったが、Phase3ではほぼ伊豆全域に拡大。駿河湾フェリーも片道1回利用できるデジタルフリーパスも登場。西伊豆の夕日や富士山の眺望が楽しめる

 

東急×JR東日本×伊豆急 Izuko 500円~3800円(デジタルフリーパスの価格)

 

具体的には、伊豆半島のほぼ全域に加えて駿河湾フェリーや静岡市内の一部鉄道・バスもカバー。利用できる観光商品の数は、Phase2の約6倍の125種類に増加した。2021年3月31日まで実施中だ。

 

↑下田の漁港を見学したあと金目鯛料理を味わえるなどの、Izukoオリジナル体験メニューも用意。メニュー数は35にも及ぶ

 

↑新清水-新静岡を結ぶ静岡鉄道も片道1回利用できるパスを用意。富士山静岡空港〜静岡/新静岡間を走るバスも利用できるチケットも

 

折しも働き方の多様化で、伊豆エリアでのワーケーション・テレワークの需要も増えているという。ワーケーション施設と連携して人口の増加にも取り組むなど、地域活性化にも繋げるという、MaaSの目的に寄与することも期待される。

 

【ネクストヒットの理由】

シームレスに交通機関を利用したり観光地を巡ったりすることを目指すMaaSは、より便利に使うために用意されたコンテンツの数が飛躍的に増加。スマホひとつで利用できる施設が増えただけでなく、Izukoオリジナルのメニューも用意されるなど魅力も満載だ。

 

【コチラも注目】東北6県でもMaaSが展開される!

JR東日本が2020年4月から9月まで実証実験を行った「TOHOKUMaaS」。以前の実証実験では仙台エリアが中心だったが、今回は東北6県に拡大。各エリアに合ったデジタルパスなどが販売された。

 

【その2】働き方の変化で定期券よりもおトクな「時差回数券」

満員電車での密集を避けるために、鉄道会社は時差出勤を推奨。またテレワークの普及で働き方も変化し、通勤には定期券という常識が変わることになる。

 

多くの大手私鉄会社が発売する時差回数券は、利用可能時間の多くが平日午前10時~午後4時、または土・休日に設定されており、価格は普通運賃の10枚分で12枚発行されおトクに。土・休日のみ利用可能な土休日回数券は14枚発行される。

↑西部鉄道の時差回数券

 

定期券の割引率は各社で異なるため日数は異なるが、試算では月21日の出社でも時差回数券を活用することで通勤定期券よりもおトクという結果に。回数券は3か月有効が多いので、テレワーク中の出社にも便利に使える。ただし、定期券のように自由に乗り降りできないので注意したい。

↑西武鉄道 池袋~所沢間(大人普通運賃350円)を月21日乗車した場合(出社時は時差回数券 、帰宅時は普通回数券を使用した場合として試算)

 

【ネクストヒットの理由】

働き方改革の波がここにも。時差出勤やテレワークなどの推奨で、これまで時差回数券の存在を知らなかった人の間でも注目が集まる。

 

【その3】懐かしい名車たちに出会える「ロマンスカーミュージアム」

鉄道会社が博物館をオープンするケースが増えている。2021年の注目は小田急電鉄のロマンスカーミュージアム。名車がズラリと並ぶ光景は必見だ。

 

小田急初の常設展示施設

小田急電鉄

ロマンスカーミュージアム

2021年4月中旬オープン予定

小田急電鉄初となる屋内常設展示施設で、海老名駅近くで開発が進む「ViNA GARDENS」に隣接。ロマンスカーの愛称で親しまれている特急車両5形式を展示。小田急沿線をイメージした国内最大級のジオラマも必見だ。

↑1980年にデビューした7000形・LSEの実際の運転台を使用した運転シミュレーター。映像も2階運転席からのものだ

 

【ネクストヒットの理由】

私鉄特急電車でも人気の高いロマンスカーがズラリと並ぶ光景は圧巻。鉄道ファンはもちろん、親子でも存分に楽しめる人気スポットに。

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