【注目の車両&路線⑤】そのほかの気になる鋼製車両といえば?
西武の鋼製電車で気になる車両がもう一形式ある。それは2000系だ。2000系とはどのような車両なのか、触れておこう。
西武の2000系は1977(昭和52)年に登場した電車で、新101系と同じころに生まれた。西武としては初の4扉車で、当初は西武新宿線用として誕生したが、その後には池袋線も走るようになる。1988(昭和63)年まで製造が行われ2両、4両、6両、8両とさまざまな車両編成が生み出されていった。製造は所沢車両工場で行われている。
今、西武鉄道を走る2000系には2タイプの正面スタイルがある。1988(昭和63)年までに造られた旧タイプと、同年から1992(平成4)年に造られた新タイプの2000系である。後者の2000系は「新2000系」と呼ばれることもある。前者の2000系は正面のおでこ部分が角張ったスタイルで、後者は正面のおでこ部分がアール状で列車種別、行先表示が、一体化されて組み込まれている。
どちらかといえば、無骨な姿の2000系は古いタイプで、きれいにまとまっているのが新2000系というわけだ。
2000系もすでに登場してから40年近くになる。新101系に並ぶ古参車両として長年活躍してきた。そんな2000系だが、トップナンバーでもあった2001編成(8両)が10月初旬に横瀬車両基地へ回送された。廃車になるとみられている。実はこの車両編成が、現在の西武の最も古い現役車両(あとから編成を組んだ中間2両をのぞく)でもあった。わずかに残る2000系の初期タイプではあるが、残る車両も徐々に引退していくものと見られる。
2000系、そして前述した新101系は西武では今や少なくなりつつある昭和生まれの鋼製電車となっている。西武の昭和期生まれの鋼製電車の現状を見ると〝昭和は遠くなりにけり〟というようにも感じてしまう。今後、その動向は不明瞭だが、少しでも長く活躍してもらえればと、昭和生まれの筆者としては祈るのみである。