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2021/12/17 6:00

鉄道ゆく年くる年…新車、廃車、廃線ほか2021年(上半期)の出来事をふり返る

【2021年の話題④】前半に登場した新車は少ないが希少車両も

引退していく車両がある一方で、新車も登場した。ここでは上半期に登場した新車を見ていこう。

 

◆京阪電気鉄道3000系プレミアムカー

↑3000系の6号車に連結されるようになったプレミアムカー。右下は3000系の先頭車両

 

まず、京阪電気鉄道(以下「京阪」と略)の3000系プレミアムカーから。京阪は大阪府、京都府、滋賀県を走る複数の路線を持つ。中でも大阪市内と京都市内を結ぶ京阪本線が〝ドル箱路線〟となっている。従来から高級感が感じられる特急形電車を導入してきたが、2017(平成29)年8月20日から、特急形電車8000系の編成に1両、プレミアムカーという有料座席指定特別車両を連結することを始めた。同車両が好評だったことから、さらに増備をすすめていた。

 

そして今年の1月31日からは特急形電車の3000系にもプレミアムカーが連結されるようになった。

 

有料座席指定の車両や列車は、JRおよび私鉄各社で導入が進められている。なかなか運賃収入の増加が見込めない中、少しでも役立てばと鉄道会社も導入を図る傾向が強まっている。さらに、新型コロナ感染症の流行により、混んでいる列車を避けて移動したいと思う利用者も多い。そうした人たちにとってうってつけの列車、そして車両となっている。需要がある以上は、今後もこうした車両・列車の導入が加速していきそうだ。

 

◆東京メトロ有楽町線・副都心線17000系

↑登場後すぐに東武東上線や西武池袋線などの路線への乗り入れを始めた17000系。丸みを持った車体が特長

 

2月21日から東京メトロ有楽町線・副都心線に新しい車両17000系が走り始めた。同線では10000系以来、15年ぶりの新車登場となった。丸形の前照灯に丸みを帯びた車体には、副都心線のブラウン、有楽町線のゴールドのラインカラーが入る。来年度までに21編成180両が導入される予定で、既存の7000系の置き換えを図る予定だ。

 

東京メトロの千代田線6000系、有楽町線7000系、半蔵門線8000系と、正面の貫通扉に窓がない独特な風貌を持つ車両が長年走り続けてきた。すでに6000系は引退となり、7000系も徐々に減りつつある。時代の流れとはいえ、親しまれてきた姿だけに、一抹の寂しさを覚える。

 

◆JR東日本E131系

↑鹿島線を走るE131系。水色と黄色のラインが入りおしゃれ。早くも房総地区の主力車両となりつつある

 

首都圏に近いJR東日本のローカル線では、これまで東京近郊を走ってきた車両をリニューアルして使う傾向が強かった。例えば房総半島を走る外房線、内房線、鹿島線では、以前に京浜東北線を走っていた209系が、車両更新されて使われてきた。そうしたローカル線の効率化を図ろうと生まれたのがE131系だ。3月13日のダイヤ改正に合わせて導入されたが、房総地区用に新しい車両が導入されたのは51年ぶりだそうだ。

 

水色と黄色の房総らしい明るい色のラインが入るE131系。12編成24両が製造され、房総地区の主力車両として活かされることになる。

 

このE131系はその後の増備も進み、秋からすでに相模線を走り、また来春からは日光線や、宇都宮線にも導入される。相模線ではE131系の増備により、早くもこれまで走っていた205系の姿が急速に減りつつある。

 

◆JR東日本E493系(事業用電車)ほか

↑新たに導入されたE493系。事業用車らしく前面は黄色塗装、JR東日本の車両らしく黄緑色の帯を巻く

 

回送作業、保線作業などに使われる事業用車は、なかなか一般利用者の目に触れることのない車両でもある。JR東日本に今年は複数の事業用車が導入され、顔ぶれが大きく変わろうとしている。

 

まずはE493系。2両編成の事業用交直流電車で、回送列車の牽引や、入れ替え作業などに使われる予定だ。

 

電気式気動車GV-E197系も今年に新製された事業用車両だ。形はE493系とほぼ同じながら砕石輸送用で、砕石を積むホッパ車(GV-E196形)を中間に4両はさむ形で運用される。

 

すでにレール輸送用のキヤE195系の導入も進められていて、JR東日本の事業用車も大きく変わることになる。

 

こうした新型事業用車に代わって消えていこうとしているのが、国鉄時代に造られた電気機関車やディーゼル機関車など。EF81、EF65、EF64、ED75、そしてDD51、DE10といった機関車が今も使われている。

 

現在、上記の新型事業用車両の試運転を続けている段階で、正式運用の開始はまだ発表されていないため、既存の車両がいつまで使われるのか不明である。あくまで推測でしかないが、量産型が導入される時には、国鉄生まれの機関車たちも、徐々に消えていくことになりそうだ。

 

【2021年の話題⑤】4月にロマンスカーミュージアムが開館

今年上半期の話題で最も注目されたのが、神奈川県の海老名駅に隣接して誕生した「ロマンスカーミュージアム」ではないだろうか。

 

長年、ロマンスカーの名前で特急列車を運転してきた小田急電鉄が造った鉄道ミュージアムで、館内には引退した歴代ロマンスカーや、昭和初期に走った小田原線用モハ1形などの車両が保存展示されている。

↑ロマンスカーミュージアムの1階に並ぶ歴代のロマンスカー。右からLSE(7000形)、NSE(3100形)、SE(3000形)

 

小田急沿線を模型化したジオラマパークや、ロマンスカーの運転が楽しめる本格的な運転シミュレーター、そして親子で遊べるキッズロマンスカーパークといった施設もあり充実している。

 

また入口にはミュージアムカフェ、屋上には海老名駅構内が見渡せるステーションビューテラスがあり、なかなか楽しめる施設となっている。

 

【関連記事】
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次週は2021年の7月以降、下半期の鉄道ニュースをお届けしたい。

 

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