似たものはないが作り込まれた乗り味
低く跨ぎやすいフレームに、幅広でお尻をしっかり受け止めるシート、それにアップライトなハンドルは街乗りにフォーカスしたモデルであることを感じさせます。ただ、実際に乗ってみると幅の広いハンドルによく効くブレーキの組み合わせは、マウンテンバイクに乗っているような感覚で、ママチャリタイプの電動アシスト自転車とは明らかに異なる上質さです。車重は33.5kgとかなり重いのですが、ペダルを回すと軽々と進むので、その点も普通の自転車とは異なり、新しい乗り物に乗っている感覚。バイクとも自転車とも違うe-Bikeならではの乗り味と言えるでしょう。
重量級の車体ながら軽快に進むのは、BAFANG製の「M500」ユニットが80Nmとスポーツモデル並みのトルクを発揮できる性能を持っているから。ペダルを踏み込むというより回すような感覚ですが、これにはセットされているクランクが短いことも効いていると感じました。少ない動きでペダルを回せるので、脚の筋肉をほとんど使わずに進んでいくような気分です。
力を使わずにスムーズに進む感覚は、登り坂でも同様で、ペダルを回しているだけでスイスイと登っていくことができます。坂道でも太ももの筋肉はほとんど使いません。
車体自体の設計も優れているようで、荒れた道を走ってもハンドルを取られることはありませんし、コーナーリングも太いタイヤと高剛性のフレームのおかげでバイクのような安定感です。今までにない新しい感覚の乗り物に仕上がっている「ISSIMO」。さらに、さまざまなカラーやデザインのサイドカバーの追加も可能で、ユーザー好みのカスタマイズも楽しめます。従来のバイクや自転車に物足りなさを感じている新しもの好きな人は、ぜひ一度乗ってもらいたい完成度です。
撮影/松川 忍
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