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2022/3/3 18:00

【日産氷上試乗会レポート】雪道でラクに速く走れる「ノート e-POWER 4WD」の実力とは?

長野県・女神胡で日産自動車(以下、日産)が主催するメディア向け氷上試乗会「NISSAN Intelligent Winter Drive」が開催されました。真冬のど真ん中、1月に最新の「ノート e-POWER」や「GT-R」など日産の最新技術が詰まったクルマたちに一気乗りできるこのイベント、ツルツルと滑る氷上&雪上で日産車たちがどう制御して立ち向かうか、体感して参りました。

↑前輪駆動の「ノート オーラ NISMO」。e-POWERによる減速効果は雪道で絶大な効果を発揮した

 

氷上&雪上の環境下で駆動方式やシステムの違いを体感

このイベントの目的は、次世代パワートレーンの普及を目指す日産が、駆動方式やシステムの違いによって、氷上や雪上という運転が難しい環境下でクルマの挙動や運転のしやすさがどう変化するのかを体験することにあります。雪道で“滑る”こと自体、公道走行では危険をはらむわけで、そうしたクルマの挙動を存分に体感する機会はそう簡単に得られるものではありません。今回、限定エリアコースを設定することでその体験ができる、極めてユニークで貴重な走行会として準備されたのです。

↑氷上試乗会NISSAN Intelligent Winter Driveで使用された試乗車たち

 

用意されたコースは外周路をメインとして、スラロームや円形コースがあり、それぞれに特徴のある体験が行えるようプログラムされていました。

氷上試乗会「NISSAN Intelligent Winter Drive」会場全景

 

この試乗会で一番の注目は、ノートとノートオーラに設定されたe-POWER 4WDの体験走行です。ノートもノートオーラも1.2Lエンジンで発電してモーターで車輪を駆動するシリーズ型ハイブリッド方式を採用します。そのメリットは電気モーターを駆動することで、ガソリン車よりもはるかに緻密なトルク制御が行えることにあります。その制御は1万分の1秒単位で行われ、状況に応じて最適なトルクを配分できるようになり、滑らかな走りに貢献するというわけです。

↑後輪重視の制御が的確な挙動を生み出していた「ノート オーテック クロスオーバーFOUR」

 

ノート/ノートオーラは共に前輪駆動(FF)を基本としながら、e-POWER 4WDでは後輪も電気モーターで走行していることが見逃せません。先代ノートのe-POWERでも4WDはラインナップされていましたが、新型ではこの後輪用電気モーターのパワーを大きく増強した電動パワートレーンが搭載されたのです。

 

その後輪用モーターのスペックを先代と比較すると明らかな違いがあります。先代は最高出力4.8PS、最大トルク15Nmにとどまり、それはあくまで雪道などでの発進を補助するためのシステムでしかありませんでした。それが新型では最高出力68PS、最大トルク100Nmと大幅に増強され、このパワーが速度域を選ばず、前後輪の挙動に対して緻密なコントロールを可能にしたのです。

↑後輪の電気モーターにより雪上でもパワフルな走りを発揮する「ノート e-POWER 4WD」。写真は「ノート オーテック クロスオーバーFOUR」

 

想像以上に扱いやすくスムーズに走れた「e-POWER 4WD」

ノートオーラで走ってみると、この制御がうまく働いているせいもあり、クルマの挙動に唐突感がなくとてもコントロールがしやすい。ステアリングを切って雪上で滑り出しても慌てることなく冷静に対処でき、コーナリングごとにチャレンジする方法を変えてみる余裕も生まれたほどでした。また、アクセルを強めに踏み込んでもシステムが路面状態を把握しながら瞬時に細かく制御してくれるので、十分なパワーを感じながらスムーズな発進ができたのです。

 

ノート/ノートオーラの雪上走行ではe-POWERによる回生ブレーキ(e-Pedal)も大きな効果を発揮してくれました。ブレーキをかけるのとは違い、タイヤが雪上でロックすることなくスムーズに、しかも確実に減速できたのです。雪道では減速が思うようにできず、慌ててブレーキを踏んで制御不能となることがあります。このe-Pedalを使うことでそうした状況に陥ることはほとんどなくなるのです。まさにe-POWERの制御が、特に今回のような雪上で大きな安心感を生み出してくれたと言っていいでしょう。

↑外周路で「ノート」e-POWER 4WDの巧みな挙動を体験中の筆者

 

ノート/ノート オーラのe-POWERは、FFモデルでも高い走破性、安定性を実現していました。アクセルをオフにした時のe-Pedalで得られる確実な減速は、ここでも大きな安心感を生んでくれており、これはおそらく先代の4WDよりも確実に停止できるのではないでしょうか。

 

ただ、発進では4WDとの差を実感させます。4WDモデルでは後ろから押し出すようにスムーズに、しかも力強く発進してくれましたが、FFモデルでは少し強めに踏み込んだだけで前輪が空転して前へ進むことができなかったのです。その意味でも4WDモデルは雪上で圧倒的にスムーズかつラクに、しかも速く走ることができました。その安定感には大きな差を実感した次第です。

横滑り防止装置をオフにして円形の氷上路をグルグルと回る「ノート e-POWER 4WD」

 

安定した挙動で安心感のある走りを見せた「GT-R」

続いて日産が誇るスーパースポーツカー「GT-R」に試乗してみました。このクルマ、お値段はベースグレードでも1000万円を超える知る人ぞ知るクルマですが、今回の試乗で用意されていたのは、世界最大級のカーボンセラミックブレーキを搭載した特別仕様車「GT-R プレミアムエディション Tスペック」です。こちらのお値段は1590万4900円(税込)! まさにスーパースポーツカーを氷上で体験試乗することができたのです。

 

凄まじいパワーを発揮するだけに、最初は恐る恐るアクセルを踏み込んだわけですが、実際に走り出せば想像以上にコントロールがしやすいのにビックリ! 4WDであることもあって、クルマの状況が把握しやすく、アクセルを踏み込んでも後輪でしっかりと前へ進みます。一方で、テールが滑る状態になると駆動力が前輪にも配分されて車両を安定へと向かわせてもいました。

↑凄まじいパワーを発揮する「GT-R」だったが、予想に反してコントロールがしやすかった

 

ただ、後輪駆動である「スカイライン GT」ではコントロールはかなり難しかった印象です。エンジンがハイパワーであるターボ仕様ということもあって、アクセル操作をかなり伸長に行わないとステアリング操作をしても追いつかず、アッという間に向きが変わってしまいました。駆動方式の違いが明らかに違う挙動を示すことを身を以て体感できたわけです。

↑後輪駆動らしい挙動により雪道でのコントールは難しかった「スカイライン GT」

 

この日は日産が展開する幅広い駆動方式を、雪上&氷上で体験したわけですが、改めて「e-4ORCE」と同じ思想で開発されたe-POWER 4WDの実力の高さを思い知らされました。e-4ORCEは間もなく本格的に市場投入される日産「アリア」にも搭載されます。アリアはどんな走りを見せてくれるのでしょうか。その登場がますます楽しみになってきました。

 

 

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