フランス政府が月額100ユーロ(約1万4000円)で電気自動車(以下、EV)をリースできる、新たなEV補助金制度の準備をしていることが明らかとなりました。
米Bloombergによると、ガブリエル・アタル行動・公会計大臣は、週末に現地のLCIニュースチャンネルでこの計画を発表したそうです。アタル氏は「多くのフランス人にとって(EVは)非常に高価であることは承知している」と述べ、政府がこの施策をどれだけ早く実行できるかを考えていると付け加えたとのことです。
8月末現在、フランスでは4万7000ユーロ以下のEVであれば、最大6,000ユーロの補助金を受けられます。また政府の下取り制度を使えば、古いガソリン車も買い取ってもらえる手厚さ。これほど優遇されているものの、2022年1~7月にフランスで売れた新車のうち、EVの割合は12%に過ぎませんでした。
その点では北欧諸国がはるかに先を行っており、たとえば昨年のノルウェーでは、バッテリーだけで走るEVとハイブリッド車が新車販売の3分の2近くを占めていました。北欧ではガソリン車にかかる数々の税金がEVでは免除される制度(車両購入税や付加価値税、道路使用税など)が、この普及を後押ししているといわれます。
今回の発言に先立ち、仏マクロン大統領は「補助金があってもEVは多くの人にとって手が届かない」との批判を受けて、低所得者向けの国営リース制度を約束していたとのこと。ようやく、その公約が実現されるメドが立ったようです。
このリース政策は、ルノーSAやフォルクスワーゲンAGなど、欧州自動車メーカーを後押しすることも意識されているようです。日本でも国内のEVメーカーを育てつつ、より多くの人々がEVを利用できる制度の整備が求められるのかもしれません。
Source:BNN Bloomberg
via:Engadget