フランスの自動車部品サプライヤー「Valeo(ヴァレオ)」が、48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載した電動小型モビリティの試作車『48Vライト eシティーカー』を開発。この度、この試作車に試乗する機会を得ました。その試乗レポートをお届けします。
最高速度は100km/h! その実力はベース車を遙かに超える
ヴァレオが48Vライト eシティーカーを日本初公開したのは、今年5月に開催された「人とくるまのテクノロジー展2022」でのことでした。ベースとなっているのは、フランスで量産されているステランティスの低速モビリティ「シトロエン・アミ」で、そこに搭載されていた駆動システムに変更を加えたものとなっています。
この駆動システムに採用されているのは、48VのBSG(ベルト駆動式スターター&発電機)をベースに開発されたもの。そのため、電気自動車(EV)のスタイルを採るとはいえ、本格的な走りを発揮するのではなく、あくまで最高速度を45km/hに抑えて、14歳以上であれば免許なしでも運転できる欧州の「L6/L7」カテゴリーに収まる車両向けに開発されたと言えます。
しかし、シトロエン・アミに搭載されたeAccessの能力は、まだ十分に発揮されたものではありませんでした。ヴァレオはこのシステムをそのままチューンナップすることで、最高出力をベース車の6kWから10.5kWに引き上げ、最高速度は45km/hから100km/hへと大幅にアップさせることに成功したのです。この日は、このパワーを体験できる状態での試乗となりました。
一方、ボディそのものはシトロエン・アミそのまま。全長2410×全幅1390×全高1520mmで、前後左右のボディパネルはまったく同じ部品を使ったシンメトリーデザインを採用して車体の低コスト化を実現。その割にタイヤ径は155/65R14と大きめで、ここから受ける印象はどこか玩具のようでもあります。それがアクセルを踏み込むと一変! 想像を超える力強い走りを見せてくれたのです。