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2022/11/2 20:45

SUV志向を極めた新しいタント「ファンクロス」。走りも使い勝手の高い満足度!

ターボとD-CVTの組み合わせが静かでスムーズな走りを実現

試乗したのはインタークーラー付ターボエンジンにD-CVTを組み合わせた「ファンクロスターボ」(2WD)。D-CVTとは、CVTに「ベルト+ギア駆動」を組み合わせたトランスミッションで、なめらかな走りだけでなく、モード走行中のエンジン回転数を自由に変化させられるので燃費向上にもメリットがあります。ファンクロスではこのトランスミッションを標準化して、ドライバビリティ向上と経済性を両立させているのです。

↑ファンクロスターボには、インタークーラー付658ccターボエンジンを搭載。最大出力は47kW(64PS)、最大トルク100N・mを発揮する

 

走り出すと車体が軽々と前へと進みます。エンジン回転だけが先に上がって、速度が後から付いてくるようなCVTにありがちなラグはほとんど感じません。撮影のために大人3人が乗車したときも、そういった印象はなく、ひたすらスムーズに加速していく感じでした。CVT変速機は静かで、少し踏み込めば十分に力強いパワーが得られます。また、スーパーハイトワゴンは重心が高いため、本来ならカーブが苦手のはずですが、中速コーナーもしっかりとロールを抑えてくれていたのには感心しました。

↑タント「ファンクロスターボ」。D-CVTとの組み合わせによりスムーズな加速が体感できた

 

乗り心地の良さもファンクロスの特筆すべき点です。一般道の少し荒れた路面でもシートには不快な振動はほとんど伝わらず、路面にあるスリップ防止用舗装を通過したときの段差もきれいにいなしてくれます。この日は一般道だけの試乗でしたが、車内に届くロードノイズも許容範囲で、静粛性はタントと比べても十分なレベルに仕上がっていることを実感した次第です。

↑ファンクロス ターボのタイヤは、165/55R15を履く。ブランドはダンロップのエナセーブだった

 

一方でダイハツの予防安全機能「スマアシ」は、基本的にステレオカメラを使った従来からのシステムが踏襲されました。急アクセル抑制機能は搭載されていません。ただ、開発者によれば「ACC(アダプティブクルーズコントロール)の設定を、初期のタントよりもリニアに反応するタイプに変更した」ということです。従来のタントは料金所で一旦減速し、レジュームを押してからの立ち上がりがきわめて遅かった印象がありましたが、「タフトと同レベル」にまで立ち上がりを改良したと言うことでした。次回は高速道路で試してみたいと思っています。

 

新しい「タント カスタム」はより押し出し感を強めた

一方のタント。試乗車はターボエンジンを搭載した「カスタムRS」の2WDでした。フロント周りをより押し出しの強いイメージとし、ボンネットや前後バンパーのデザインに変更を加えました。アウタードアハンドルをクロームメッキ化したのも小さなことではありますが、印象深さがさらに増したのは見逃せません。インテリアはカスタム仕様にふさわしいブラックの人工皮革とブルー配色を織り込んだシートを採用しました。リアシートの機構はファンクロスと同様で、二段式デッキボードの採用も同じです。

↑フロントグリルの開口部を大型化し、より迫力を増したタント「カスタムRS」

 

乗り味はファンクロスと基本的に同じでした。アクセルを軽く踏むだけで気持ちよく速度が上がっていき、市街地の走行は実にスムーズ。路面の段差が生まれるショックも十分に吸収しており、乗用車としての満足度はとても高いと思いました。

↑ブラックの合皮とブルーのパイピングを組み合わせたカスタム専用のシート

 

SPEC【ファンクロスターボ(2WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1785㎜●車両重量:940㎏●パワーユニット:658㏄水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラターボ横置●最高出力:64PS/6400rpm●最大トルク:100Nm/3600rpm●WLTCモード燃費:24.3㎞/L

 

SPEC【カスタムRS(2WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1755㎜●車両重量:930㎏●パワーユニット:658㏄水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラターボ横置●最高出力:64PS/6400rpm●最大トルク:100Nm/3600rpm●WLTCモード燃費:21.2㎞/L

 

撮影/松川 忍

 

 

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