電動キックボードで公道を走る上での注意点
ここからは、実際にLUUPの電動キックボードに乗りながら、公道を走る上での注意点を紹介していきましょう。まず、現状では特定小型原動機付自転車は歩道を走ることができません(改正道交法が施行されれば6km/h以下での走行が可能となる)。歩道(横断歩道も)は押して通行する必要があります。走行できるのは、車道の左側。普通自転車専用通行帯(自転車レーン)は走ることができます。また、交通量の多い特定の道路は走行禁止となっており、そのエリアはアプリ上に赤い枠で表示されます。
※初出では「自転車歩行者道(自歩道)や普通自転車専用通行帯(自転車レーン)は走ることができます。」としておりましたが、事実が誤っておりました。正しくは電動キックボードでは自転車歩行者道(自歩道)の走行ができません。
LUUPの最高時速は約15km/h。ママチャリで走っているのと同程度の速度です。個人的には、バイクに乗るときはもちろん、自転車に乗るときもヘルメットをかぶるようにしているので、ノーヘルで車道を走るのはやや不安でした。速度的には、それほど危なくはありませんが、速度差のあるクルマと接触してしまった場合、ヘルメットがあったほうがリスクが抑えられそうです。また、道路の左側は自転車やバイクも走るので、その点も注意が必要だと感じました。
個人的に、最も気をつける必要があるなと感じたのは右折。原付の場合、2車線以上ある道路では2段階右折をする必要がありますが、特定小型原動機付自転車の場合は2段階右折は禁止です。右折レーンがあるような交差点では、クルマと同様に右折レーンから曲がる必要がありますが、15km/hしか出ない乗り物では少なからず危険を感じます。LUUPでも、そうしたシーンでは、キックボードから降りて横断歩道を押して渡り、車列に並ぶ方法を推奨していますが、この走り方が危険が少ないでしょう。
LUUPはバスに比べて早いのか? お得なのか??
今回は東京・渋谷から六本木に向かう約3kmの道のりを走りました。時間的には15分程度。担当編集者には、ほぼ同時刻に渋谷駅前からバスの乗って六本木駅前に向かってもらったのですが、担当編集者のほうが少し早く六本木に到着していました。筆者は気づいていませんでしたが、途中は抜きつ抜かれつのデッドヒートだったとのこと。道路の渋滞具合にもよりますが、時間的にはだいたい同じくらいと考えて良さそうです。
料金的にはどうでしょうか? LUUP電動キックボードはライド基本料金50円(税込)、時間料金1分あたり15円(税込)となります。LUUPやバス、電車、タクシーで渋谷から六本木までの移動料金を比較してみた結果は以下のとおり。
・LUUP電動キックボード:渋谷から六本木 275円(約15分)
・都営バス:渋谷駅前から六本木駅前 210円(約15分)
・電車:渋谷駅→青山一丁目駅→六本木駅 276円(13〜18分・乗り換え時間含む)
・タクシー:渋谷から六本木 日中予想料金1380円(約10分)
※編集部調べ
移動時間はほぼ変わらなかったけど、料金で言うとわずかにバスに軍配が上がりました(タクシーは言わずもがなですね……)。あえて、バスのデメリットを述べると乗車までの待ち時間が多少発生してしまうし、時間帯によっては満員バスで不快を感じる時もあります。そういう時は、予約して気軽に乗れる電動キックボードの方が移動としては快適かもしれませんね。
近年は電動アシスト自転車のシェアリングサービスも拡大していますが、電動キックボードはそれよりは気軽に乗れて、近距離の移動に向いている印象でした。こうした電動のモビリティでは、よく”ラスト・ワン・マイル”という言葉が使われますが、まさに電車などの公共交通機関を降りて目的地までの1マイル(約1.6km)の移動に適していると言えそうです。
撮影/松川 忍
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