ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、かつて2人とも所有したことがある「フェアレディZ」の新型を紹介する。所有経験は新型の評価に影響するか?
※こちらは「GetNavi」 2022年12月号に掲載された記事を再編集したものです
【レビュアーPROFILE】
永福ランプ(清水草一)
日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。初老となり運転支援装置の必然性を実感。クルマを評論する際に重要視するように。
安ド
元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。妻子を抱えても愛車はMTにこだわっている。
【今月のGODカー】日産/フェアレディZ
SPEC【バージョンST・6MT】●全長×全幅×全高:4380×1845×1315mm●車両重量:1590kg●パワーユニット:2997ccV型6気筒ツインターボエンジン●最高出力:405PS(298kW)/6400rpm●最大トルク:48.4kg-m(475Nm)/1600〜5600rpm●WLTC燃費:9.5km/L
524万1500円〜646万2500円(税込)
エレガントでカッコ良い外観に加えV6エンジンも最強クラス
安ド「殿! 僕は元Zオーナーとして、新型Zを見てコーフンしました!」
永福「私も元Zオーナーとして、新型Zに鼻血ブーだ」
安ド「殿はどの世代のZでしたっけ?」
永福「4代目のZ32だ」
安ド「僕もです!」
永福「お前のはド中古だろう。私は発売直後に新車で買ったんだ」
安ド「そうでしたか!」
永福「まだ27歳の若者だった。ただ、買った後すぐに初めてフェラーリを体験し、Zがサツマイモに思えてしまった」
安ド「そうだったんですね! 新型もサツマイモですか?」
永福「いや、これは永遠の青い鳥だ。このクルマの後ろ姿を見て、乗ってフル加速すれば、感動で涙が止まらない」
安ド「僕も若いころを思い出してグッと来ました! Z32派の自分としては、やはりテールライトが一番カッコ良く見えますが、フロントも悪くないんじゃないかと思います。あえて四角くしたグリルとか、初代をモチーフに現代的にしたヘッドライト形状も良いですね!」
永福「あのテールライト、夜に後ろから見ると震えるほどカッコ良いぞ」
安ド「最近のスポーツカーは怒り顔が多いですが、新型Zはちょっと眠そうな表情もいいです!」
永福「マヌケで可愛いな」
安ド「ルーフラインもエレガントです!」
永福「震いつきたくなるな」
安ド「加速もスゴいですね。高速走行中にアクセルを踏み込むと、そこからさらにグイーンと加速していくのがタマらない!」
永福「405馬力のV6ツインターボだからな」
安ド「4代目の280馬力にも感動しましたけど、新型ははるかに上回ってますね!」
永福「ケタ外れに良いな。このV6ツインターボは、現在地球上に存在するあらゆるエンジンのなかでも、フィーリングの良さではベスト10に入るだろう」
安ド「ただ、お値段はかなり高くなってしまいましたね。おいそれとは買えません」
永福「お前は何を言っているのだ。もう新型Zは、売り切れてしまって買えんのだ」
安ド「エッ!? いつ売り切れたんですか」
永福「発売は9月だったが、7月いっぱいで数年先のぶんまで予約殺到で、すでに受注停止だ」
安ド「ええ〜〜〜〜〜っ! そんなバカな! じゃあ、欲しい人はどうすれば?」
永福「いま、ロレックスを買うためには、お店に足しげく通って、店員に顔を覚えてもらう必要があるらしいが、日産のディーラーに毎日通って顔を覚えてもらえば、ひょっとして数年後、増産ぶんをポロッと売ってもらえたりするかもしれん」
安ド「そ、そんな……」