近年、素材整形技術の進化とともに、シャープなデザインを特徴とする“ツリ目”ライトのクルマが増えてきた。一方で、古くから存在し続けているのは“丸目”ライトを持つクルマたち。ファニーな印象を与えがちな丸目ライトだが、その瞳の奥に秘めたトガった魅力を分析していこう。
※こちらは「GetNavi」 2022年12月号に掲載された記事を再編集したものです
ワタシが評価しました!
ダイハツ/コペン セロ
194万3700~214万7200円(税込)
2代目となる現行型コペンの、第3のスタイルとして2015年に追加された人気モデル。“親しみやすさと躍動感の融合”をテーマにしたデザインは、丸目のみの意匠で高い評価を得ていた初代コペンを彷彿させ、根強いファンが多い。
SPEC(セロS・5速MT)●全長×全幅×全高:3395×1475×1280mm●車両重量:850kg●パワーユニット:658cc直列3気筒ターボエンジン●最高出力:47kW/6400rpm●最大トルク:92N・m /3200rpm●WLTC燃費:18.6km/L
昔のクルマのようなカタチで運転の本来の喜びに浸る
創世記のフェラーリ、たとえば166MMといったクルマを見ると、「カマボコにタイヤを4個付けて、丸い目と四角い大きな口を描いたような形」をしている。NHKのマスコットキャラクター「どーもくん」の顔をつけたイモムシ、と言ってもいい。
コペン セロのデザインは、それに非常に近くはないだろうか?
目は真円ではなく微妙に楕円だが、真正面から見るとほとんど丸。テールランプも丸。ボディは斜めのエッジを付けたカマボコ型だ。
そして2人乗りのオープンカー。いまでこそオープンカーはゼイタク品だが、昔はオープンカーが標準で、雨の日のために幌が用意されていた。つまりコペン セロのデザインは、70年くらい前の標準的な自動車の形、と言えなくもない。
すなわち、コペンは特殊なドライビングプレジャーを提供するクルマだが、本質は本来の自動車そのものということ。だからデザインも、70年くらい前の自動車に似ているのである。そしてこのクルマで走れば、70年くらい前の人が感じたのと同じ、原初的なヨロコビに浸ることができるというわけだ。スバラシイじゃないか。
[ココはトガっている] デザインアレンジが自由自在!
現行型コペンは内外装着脱構造を備え、樹脂外板やヘッドランプなどを交換して、別のスタイルへ変更することが可能。クルマのデザインを自由に変更して自分らしさを表現できる。
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