米電気自動車メーカーのテスラは、完全自動運転システム(FSD)に事故を引き起こす恐れがあるとして、36万台以上にリコールを行うことが明らかとなりました。
米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は「制限速度を超えたり、違法または予測不能なやり方で交差点を走行すると、衝突の危険性が高まる」 ことを理由として挙げています。
テスラの発表によると、リコール対象となるのは「完全自動運転ベータ版(FSDベータ版)ソフトウェアを搭載、または搭載待ち」の車種とのこと。具体的には2016年以降のモデルSとモデルX、2017年以降のモデル3、および2020年以降のモデルとされています。
NHTSAはテスラ車が高速道路で死傷者を出したり、駐車中の消防車に衝突する事故が相次いだことから、2021年夏に自動運転システムの調査に乗り出していました。
その調査は当初、予備的なものに留まっていたものの、昨年6月にエンジニアリング分析へと拡大 。それによりテスラにリコールを要求できるようになり、今回の事態に至ったしだいです。
米Reuters報道によると、テスラはこの問題を修正するため、ユーザーに無償でOTAアップデートをリリースする予定とのこと。今回の発表を受けて、16日(米現地時間)同社の株価は5.7%も下落しています。イーロン・マスクCEOはTwitterでも悪戦苦闘中ですが、テスラの仕事に集中できるよう、代わりの人材を急いで探す必要があるかもしれません。