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2024/1/4 17:00

「クロスオーバー」とはまったく別モノ。クラウン「スポーツ」「セダン」の存在感が際立ってイイ!

クラウン4兄弟の次男と三男である「スポーツ」と「セダン」がついにデビュー。ショートボディでSUV風スタイルのスポーツと、大本命ともいえるセダンが、クラウン全体のイメージに与える影響を、従来のクラウンとは「まったく別のクルマ」と評する筆者がレポートしていく。

 

■今回紹介するクルマ

トヨタ クラウン

セダン 価格:730万~830万円

スポーツ 価格:590万~765万円

 

デザイン第一のクラウンスポーツ

クラウンが「クラウンクロスオーバー」に生まれ変わって約1年半。SUV風になるなんてビックリ仰天したが、早くも街でしょっちゅう見かけるようになった。

 

2023年の販売台数は、約4万台。先代末期は年間2万台前後だったから倍増! と言いたいところだが、先代のピーク時には約5万台売れていたので、「微減」とも言える。クラウンの大変身は、いまのところ大成功とまでは言えない。

 

が、クロスオーバーだけで現在の16代目クラウンを語ることはできない。現行型クラウンは、4モデルへの分化が決まっている。今回は、クロスオーバーに続いて登場した「スポーツ」と「セダン」に乗ることができた。

 

クラウンスポーツは、クラウンクロスオーバーに対して、文字通り「よりスポーティ」という位置づけだ。クロスオーバーもデザイン優先で作られたが、スポーツはさらにカッコ第一。グラマラスで速そうであることを、なによりも優先して作られている。

↑クラウンスポーツ

 

「コ」の字型の薄目ヘッドライトはクロスオーバーと共通のイメージだが、ボディはコンパクトかつ豊満。特にリアフェンダーのグワッとしたふくらみは、一瞬「くどすぎないか?」と思ったりもする。

↑ヘッドライトを薄くすることで、よりシャープで精悍な表情を実現したといいます

 

↑リアフェンダーのふくらみは、スポーツの1番の特徴。大きいタイヤの存在感を高めるうえに、ダイナミックで低重心な印象を与えるとうたっています

 

ところが、実際に走っているクラウンスポーツを斜め後ろから見ると、迫力満点でカッコいい。発表当時からフェラーリの新型SUV「プロサングエ」に似ていると評判だったが、クラウンがフェラーリと比較されるだけで驚天動地だ。

↑ボディサイズは全長4720×全幅1880×全高1565mmで、車両重量は1810kg。またボディカラーは、モノトーンカラー6色とバイトーンカラー5色を用意しています

 

インテリアもスポーティ&ゴージャスで、従来のクラウンのようなおっさんくささは微塵もない。従来のクラウンファンには異世界なので、なじめないかもしれないが、それは仕方ないだろう。

↑包まれるような感覚を意識したコックピット

 

エンジンはグッと洗練、しかも燃費は21.3km/Lでかなりエコ

パワートレインは、クロスオーバーにも採用されているFFベースのエンジン横置き2・5Lハイブリッドだ。クロスオーバーでは、特にスポーティでもなく、かといって高級なフィーリングでもなく、インパクトに欠けたが、スポーツに積まれたソレは、1年半の熟成の成果なのか、ぐっと洗練されてスポーティだ。ハンドリングも明らかにスポーティなので、今どきのエリートにピッタリな雰囲気である。

↑スポーツ Zグレードのパワーユニットは2487cc直列4気筒エンジン+モーターで、エンジン最高出力は186PS/6000rpm、エンジン最大トルクは221Nm/3600-5200rpm。

 

それでいてWLTCモード燃費は21.3km/Lと良好で、実燃費でも16km/L前後は走るから、かなりエコ。システム最高出力は234馬力なので、加速がそれほど凄いわけではないが、アクセルに対する反応がいいので、クルマの流れに乗って気持ちよく走るぶんには不満はない。

 

これで590万円という価格は、輸入車のライバルたち、たとえばスポーツSUVのBMW X4(852万円~)に比べると断然安い。もっと加速がほしい人には、今後追加される予定のPHEVモデルがおすすめだ。

ラゲージは容量397Lで、通常でゴルフバッグ1個分、後席前倒し時には4個まで収納可能とのこと
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