アイルランドを代表する黒ビールの「ギネス」が、隣国の英国で不足する事態に陥っています。
ギネスビールの樽が底をついた店があったり、まもなく在庫がなくなるという店があったり、英国全土でギネスビールが品切れになるパブが続出。あるパブの経営者は、50リットル入りの樽12個分のギネスビールを毎週仕入れているところ、最近では1個分しか仕入れられなかったと話しています。
これだけギネスビールが不足した原因は何か? ギネスを保有する英酒造企業のディアジオによると、「並外れた消費者の需要があった」から。飲食業界の調査会社のデータによると、樽販売されたギネスビールの量が7月から10月にかけて20%以上増加したそうです。
寒い日が続いたことが消費量の増加を後押ししたようですが、もう一つ要因があります。ギネスビールはラグビーファンの間でとても人気が高く、11月にラグビーの国際試合が4週間続いたため、試合を観戦しながらギネスビールを飲む人によって、ますます消費量が増加したのかもしれません。
この事態を受けて、ディアジオ社ではイングランド、ウェールズ、スコットランドのパブでギネスの配給量を制限しました。その結果、「別のビール2杯を飲まないと、ギネスビールを注文できない」といったルールを作る店が出るなど、各店は在庫不足に悩まされているようです。
思う存分ギネスを味わえないこの年末年始は、英国のギネスファンにとってほろ苦いホリデーになっているかもしれません。2025年に需要が落ち着き、この状態が改善されることを祈りましょう。
【主な参考記事】
The Sun. BEER WE GO Pubs run dry of Guinness and some place limits on pints as shortage hits boozers. December 17 2024