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2025/1/2 7:00

英で有名な「サメの家」が強制閉鎖へ。問題はサメではなかった

「シャークハウス」のニックネームで親しまれている建物が英国にあります。屋根に巨大なサメが垂直に突き刺さったようなデザインで、十分すぎるほどインパクトがあります。

↑絶体絶命のシャークハウス(画像提供/SWNS/YouTube)

 

この建物は、オックスフォードにある2階建ての物件。以前は住民の居住用物件として利用されていて、約5年前にAirbnbで短期貸し出しを始めました。最大10人の宿泊が可能で、2泊で最大2537ドル(約40万円※)となかなかの価格ですが、利用者のスコアは5点満点中4.86点と高く、評判は上々です。

※1ドル=約156円で換算(2024年12月19日現在)

 

オックスフォードを訪れた観光客が、「ジョーズが突き刺さったビル」を一目見ようと、観光スポットとしてここに立ち寄るというのもうなずけるでしょう。

 

しかし、この建物はいわくつき。現在のオーナーであるハンソン・ハインさんの父、ビルさんが1986年に、オックスフォード市から公式の建築許可を得ずに、このサメの彫刻を作ってしまったのだとか。

 

建設から2年後に、市は過去にさかのぼって建築計画許可を出すことを拒否したのですが、当時の環境大臣が介入して、この建物をそのまま残すことが認められたそう。そしてビルさんが亡くなり、約5年前から短期貸し出し物件に変更して営業しているのです。

 

ただし、オックスフォード市はこの建物がAirbnbの宿泊先になったことに対して市民から苦情が寄せられたとして、強制的な閉鎖を求めたのです。この地域にはAirbnbが800軒近くあり、地元住民のための物件が少ないのだとか。そこで、同市は計画について承認を受けることなく、短期賃貸事業に変更した物件について強制措置を講じると述べています。

 

シャークハウスのオーナーのハンソン・ハインさんは、近隣住民から苦情は受けておらず、この決定を激しく非難。興味のある人には「可能なうちに来てほしい」と呼びかけています。オックスフォード市が決めた閉鎖の期限は2025年3月11日です。

 

【主な参考記事】

New York Post. Airbnb with huge shark plunging into roof faces closure after official backlash: ‘Come while you can’. December 16 2024