ホテルの売り上げに大きく影響するゲストの評価。英ロンドンのあるホテルに、旅行サイトのホテルランキングで272位から5位まで順位を大きく上げた、凄腕女性ホテルマネージャーがいます。ゲストからの高い評価を得た戦略とは?
「ロイヤル ランカスター ロンドン」は、ロンドン中心部にある、客室数411室の中規模ホテルです。サリー・ベックさんがホテルマネージャーに就任した2013年、5つ星ホテルという悪くない評価がされていました。
しかし、旅行サイト「トリップアドバイザー」のロンドンでのランキングでは272位と、5つ星ホテルとしてはかなり低い順位に付けていたのです。「朝食の席が少ない」「エアコンの音がうるさい」「チェックインに行列ができている」などの苦情が多く寄せられていたといいます。
そこから順位をどうやって5位まで上げたのか? 「ゲストの評価はビジネスの生命線であると固く信じている」というサリーさんが行ったという戦略をご紹介しましょう。
まずは、「本日のゲスト」という新しいコンセプトの導入。誕生日、記念日、卒業式など、特別な一日にホテルを訪れたゲストを一人選び、スタッフから期待以上に甘やかしておもてなしするのです。
また「非難する文化」を禁止し、「ネガティブで建設的なフィードバック」は記録して議論することに。さらに、ゲストの出発時にはちょっとしたプレゼントを贈るなど、スタッフの裁量で「自分が好むようにゲストに対応する」仕組みも設けられました。
そんな取り組みが功を奏し、リピーターが飛躍的に増加。スイートルームの利用や法人利用なども増えていったそうです。また、ゲストの問題をスタッフが解決して、素晴らしいレビューの書き込みがあると、それによってスタッフのモチベーションやプライドアップにもつながる……というように好循環が生まれていったそうです。
2018年に改装工事を行うなど、ハード面での改良を行ったことはもちろんですが、やはり心あたたかなホスピタリティが、人々を魅了していったようです。
同ホテルでは2024年、ゲストのレビューによって選ぶ、トリップアドバイザーの「トラベラーズチョイス・ベストテン・オブ・ベスト」ホテルアワードの一つに選ばれています。
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【主な参考記事】
Daily Mail. I’m a hotel manager in London – here’s how I moved the property up the Tripadvisor ranking from 272nd to FIFTH. December 21 2024