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2025/2/21 11:30

おなら問題は止まった?「ダブルデッカー式エコノミークラス」が実現に向けて一歩前進

エコノミークラスでも足元に十分なスペースがほしい。そんな希望を叶えようと考えられた、ダブルデッカー式の座席スタイル。革新的であるものの、「前の席に座った人のおならが顔面に直撃する……」と世界中で物議を醸したのですが、そんな座席がいよいよ実現するかもしれません。

↑ダブルデッカー式座席はおならの懸念を払拭した?(画像提供/CNN)

 

まず、以前にもご紹介したダブルデッカー式の座席スタイルについて改めて説明しましょう。このスタイルは頭上にあった荷物入れを取り払い、高さが異なる座席が交互になった2層式です。そのため、従来の座席よりも足元にスペースが生まれ、後ろの座席の人を気にせず背もたれを倒せるのです。

 

従来にはなかった座席スタイルを提案したのは、スペインのスタートアップ「Chaise Longue」。同社のアレハンドロ・ヌニェス・ビセンテCEOは188cmの高身長であり、いつも機内で窮屈な思いをしていたことから、この座席スタイルを2021年から考えはじめ、2023年に行われたエキスポで発表したのです。

革新的でも思わぬ欠点が…。世界で賛否を呼ぶ「ダブルデッカー式エコノミークラス」

 

このニュースが世界で一気に広まった要因は、型破りな設計であったことに加えて、下段に座った人の顔の前に、前の席に座った人のお尻が来ること。「もしも、前の人がおならをしたら……」という不安は万国共通だったようで、議論を巻き起こすこととなったのです。

 

そんなダブルデッカー式スタイルが最近、Chaise Longueとエアバスの間で、検討段階であることが明らかになりました。エアバス側はあくまでも「検討の初期段階である」としているものの、大手航空機メーカーが検討しているというのは、実現に向けた大きな一歩でしょう。

 

アレハンドロCEOは自身のLinkedinに「乗客の体験をよりよいものにし、本当に最適なものを提供するという私の夢を追い求めた4年という歳月を経て、この発表をできることにとても興奮している」と投稿しています。

 

しかし、やはり拭いきれないのが、おなら問題。ネット上では「飛行機で最悪なのは、誰かのおならゾーンに閉じ込められること」「おならがどこから来たかを考えなくて済む」などと、おならを皮肉る声が消えません。

 

アレハンドロさんは、おならに関する質問に対して「常識と経験があれば、答えは見つかるはず。ガスは一般的に、座席のクッションやカバーのような硬いものを通り抜けない」と答えています。

 

ダブルデッカーを採用する飛行機は本当に現れるのか? もしそうなったら、おなら問題はどう対処されるのか? その行方に世界が注目しています。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Airbus is working on a DOUBLE-DECKER plane seat to give passengers more legroom – but baffled travellers dub the bottom level the ‘fart zone’. February 18 2025