中国の経済発展とともに進化してきたといわれる、同国の航空業界。その発展を世界に見せつけることになるかもしれないのが、英仏がかつて共同で開発した超音速旅客機「コンコルド」を超えるという超音速ドローンです。
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コンコルドの速度はマッハ2.0。エールフランスとブリティッシュ・エアウェイズの2社によって1976年に商業運航を開始し、商業フライトを提供してきました。しかし乗客数が増加することはなく、メンテナンスのコストがかかりすぎていたことなどから、2003年に姿を消していたのです。
そんなコンコルドの2倍の速度で飛行するというのが、このたび中国で明かされた最新のドローン。中国のスタートアップ、Lingkong Tianxing Technologyが開発しているもので、「孫悟空(モンキーキング)」と名付けられています。
孫悟空は、全長7メートル、最大重量1.5トン。二つのデトネーションエンジンが搭載され、燃料を急速に燃焼して推力を生み出し、高度約2万メートルをマッハ4.0で飛行します。北京からニューヨークまでたった2時間で行けるそう。
超音速飛行する航空機は、地上にいる人には瞬間的な爆音が聞こえることから、コンコルドは陸地の上空を音速飛行することが禁止されました。しかし、孫悟空が飛行する2万メートルは高度が高すぎるため、「破壊的にはならない」のだとか。おまけに、それだけの高度だと空気がはるかに薄く、それによってマッハのような速度にも達しやすいのだそうです。
孫悟空は2026年に試験飛行が行われ、2030年までには数百人の乗客を乗せて商業飛行を始める予定であるとのこと。
中国は2024年に超音速の戦闘機を発表するなど、着々と航空宇宙産業を発展させている模様。コンコルドが「究極の贅沢」ともてはやされながら、商業機として継続できずに終わったことからも、中国の超音速ドローンが今後どのように運用されていくのか、世界が注目していくことになりそうです。
【主な参考記事】
The Sun. MONKEY SEE, MONKEY DO China unveils ‘Monkey King’ Mach 4 supersonic drone – and hope one day it will carry PASSENGERS twice speed of Concorde. February 18 2025