地図を見れば一目瞭然ですが、中国の広さは日本の比ではありません。実際に住んでみると身をもって分かります。例えば、中国では「寝台列車」は当たり前。列車泊をしながら旅をするのは日常茶飯事です。そんな中国ではいま、日本の新幹線にあたる「高速鉄道」が建設ラッシュ。広い中国を効率よく旅をするならこの「ガオティエ(高速鉄道の現地の呼び名)」がおすすめです。筆者が自信を持っておススメする理由を4つご説明しましょう。
1:国内2万5000キロを超える路線距離
中国の高速鉄道は路線距離が世界一。いまこの瞬間でさえ、レールの敷設作業が着々と進んでいますから、これから先はさらに距離が延びるはずです。地元メディアの報道によると、中国鉄道の総距離は12.7万キロで、そのうち高速鉄道が「2万5000キロ」を占めているとのこと。2017年だけでも約8000億元(日本円で約14兆円)という巨額の費用をかけて開発が行われていました 。
2:時速350キロの最高速度も世界一
以前は安全性の観点から速度制限が設けられていたものの、現在の一部区間では「最高時速350キロ」での走行が許可されています。ちなみに日本の新幹線の最高速度は、東北新幹線の宇都宮〜盛岡区間で時速320キロ。中国の高速鉄道より速い新幹線はこの世にありません。
3:乗り心地最高! 川崎重工業の鉄道車両を使用
中国の高速鉄道に利用されている車両は、実は日本の新幹線をベースに設計されているのです。使用されている「CRH2車両」は、中国が川崎重工業 車両カンパニーから購入したもので、乗り心地もなかなか。中国鉄道の種類には「G」もしくは「D」で始まる高速鉄道と、「T」や「Z」で始まるいわゆる鈍行列車があります。車内の防音効果やシートの座り心地など、高速鉄道と鈍行列車ではまさに雲泥の差。
4:高速鉄道専用の駅は新設備でサービスも充実
「G○○○」のようにアルファベットの「G」から始まる高速鉄道は専用の駅から発着します。高速鉄道に乗る人たちはスマートな人々が多く、何が入っているのかわからない巨大な荷物を背負って乗り込んでくる人もいなければ、プラットホームから車両につばを吐いたり、駅のプラットホームでたばこをスパスパ吸ったりするマナーの悪い人もいません。
また、駅内のサービスが充実していることも高速鉄道の魅力の1つ。広い駅構内には、おいしいレストランや気軽に入れるファストフード店、コンビニなどがいっぱいあります(駅内で食べ物を買い損ねても、車内でお弁当などのサービスを利用可能)。フリーWi-Fiが利用できるのも高速鉄道の駅ならでは。