【ロンドン地下鉄の楽しみ方その2】芸術とデザインを楽しむ!
<地下鉄駅は美術館>
ロンドン地下鉄は芸術家とのコラボレーションを積極的に行っており、いつの間にか駅で美術館のような展示がされていることも珍しくない。
例えば2018年9月現在、Gloucester Road駅ではディストリクト線の現在使用されていないホームでイギリス人の芸術家ヘザー・フィリプソンの作品を展示している。ホームの全長を使い、大変見応えがあるので時間があれば立ち寄ることをオススメする。
ほかにもTottenham Court Roadの新しくオープンしたコンコースへ足を運ぶと壁に縞模様に様々な図形が描かれている。これはフランス人の芸術家ダニエル・ビュレンの作品でシンプルなコンセプトの作品となっている。
駅の芸術作品は目立つものばかりではなく、注目しないと完全に素通りしてしまいそうなさりげないものもある。
ロンドン地下鉄を利用したことのある方は駅に不思議な迷路のようなパネルを見かけたことはないだろうか。これはマーク・ウォリンジャーの作品で、ロンドン地下鉄の全270駅に1つずつ展示されている作品なのである。駅でこれからこのパネルを見かけたとしたら少しだけ地下鉄の乗るのがおもしろく感じるかもしれない。
このほかにもロンドン地下鉄のアートはホームやコンコースだけでなく、ポケット路線図の表紙やエスカレーターの広告スクリーンにも見られ、日常のなかに非日常が感じられる。
<ホームの壁はキャンバス>
普段電車を待つとき、あなたは何をしているだろうか。スマホを見たり本を読んだり、または早く次が来ないかと首を長くして線路の先を眺めたり。
今度ロンドン地下鉄を使う機会があれば線路を背にして壁を向いて待ってみよう。ロンドン地下鉄駅のホームの壁は真っ白なキャンバスとして扱われ、ここでも芸術作品が楽しめる。Tottenham Court Road駅(セントラル線)のモザイクやBaker Street駅(ベーカールー線)のシャーロック・ホームズをモチーフとしたデザインなどは必見だ。ここでもまた非日常が感じられ、ただの移動が少しばかり面白くなるかもしれない。
<駅にちりばめられている伝統と歴史>
ロンドン地下鉄はデザインの宝庫でもあり、そのなかでも一番有名なのが「ラウンデル(roundel)」だ。
1907年から使用され何度かデザインが更新されたが、その赤い丸に青い横線が入ったシンボルは世界的にも有名で、ロンドン地下鉄のアイデンティティに欠かせないものとなっている。ほとんどの駅では近代的な標準のものに統一されているが、一部駅では旧型ラウンデルを使用している。
ほかにもレトロな標識や看板、路線図案内などのロンドン地下鉄の歴史の一辺が様々な駅にちりばめられている。その数が多すぎてここでは詳しく紹介できないが、今度ロンドン地下鉄に乗った際に探索気分で細かいところまで目を向けるとおもしろい発見があるかもしれない。