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2018/12/28 19:00

テクノロジーが希望の光? 深刻なホームレス問題を抱えるアメリカの取り組み

観光客が多いワイキキビーチでも……

日本や世界各地から旅行客が訪れる屈指のリゾート、ハワイでもホームレスは深刻な問題です。ハワイ州全体のホームレスの数は7220人で、人口1万人あたりのホームレスの数は全米でもトップレベルと言われています。ワイキキビーチなど観光客が出歩く場所でもあちこちにホームレスを見かけ、観光業が経済の中心であるハワイでは、これ以上ホームレスが増えてしまうのは、州全体の経済にも悪影響を及ぼしかねません。

 

アメリカ本土と比べて年収や賃金は低いのに、ホノルルの平均家賃は1843ドルで、生活費も住居費も高いことで知られています。しかも土地が限られているのに、各地で建設が進められている住居は、一般市民には手が出ないような高級住宅ばかり。低所得者向けの住宅が不足していることは、ホームレスだけでなく一般市民にも大きな問題となっています。

 

この3都市に共通しているのは、どこも住居費や生活費が高額であるということ。そのため、生活が困窮してホームレスになるというケースが増えているのかもしれません。保護施設や家賃援助などの支援策のほか、最低賃金のアップや低所得者向け住居建設などの支援もいま以上に必要となるでしょう。

 

ホームレス問題解決の一助となるテクノロジー

ホームレス問題解決の一つの可能性として現在期待されているのが、テクノロジーを利用したサポート。イギリスでは路上で野宿している人を見かけたらアプリで通報し、凍死を防ぐという「StreetLink」アプリが開発されています。さらに「WeCount」というアプリは、ホームレスの人々が家で使うものから洋服まで必要なものをアプリを通じて呼びかけて、一般の人々から寄付してもらうという仕組み。このようなテクノロジーを利用したサポートは、いままで距離があったホームレスと一般住民を身近なものに結びつけて、気軽に支援できるシステムになるのかもしれません。

 

日本でもホームレスの問題が取り上げられていますが、公的機関や各種団体の支援以外にも、著名人や大企業による支援活動やテクノロジーの利用が必要なのかもしません。

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