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2018/12/28 19:00

テクノロジーが希望の光? 深刻なホームレス問題を抱えるアメリカの取り組み

2018年11月、Amazonのジェフ・ベゾスCEOがアメリカのホームレス支援組織に約1億ドルを寄付したことが報道されました。テクノロジーやグローバリゼーションが発展して豊かな暮らしを送る人がいれば、それに取り残されてしまった人たちが大勢いるのも現実。アメリカでは55万人(2017年)のホームレスがいると報告されており、貧困が深刻な問題となっています。世界最大の経済大国はこの問題にどう取り組んでいるのでしょうか?

 

この記事では、州の人口に対するホームレスの割合が特に高い、ニューヨーク、サンフランシスコ、ホノルルの3つの都市の取り組みを見てみます。また、ホームレス問題の深刻化とともに注目されているのが、テクノロジーを利用したサポート。巨大IT企業の繁栄によって住居費が高騰し、その結果、貧富の差を広げたとも言われるテクノロジーですが、問題解決の役に立つことができるのでしょうか? 私たち日本人にとっても他人事でないこの問題について考えてみましょう。

学生のホームレスを多数抱えるニューヨーク

アメリカの50州のなかで最もホームレス人口が多いのがニューヨーク州。2017年のデータでは、その数は8万9500人と報告されています。その一因が高い住居費。ニューヨークの家賃はマンハッタンで月平均4119ドル、ブルックリンで2801ドル、クイーンズで2342ドルと、アメリカのなかでもトップクラスに高く、そのため家賃を支払えず家を失うというパターンが多いようです。また、ニューヨークは若年層のホームレスが多いことも特徴。学生のおよそ10人に1人がホームレスに陥っています。

 

ホームレスが入居できるシェルター(保護施設)の建設など、ニューヨーク市でもさまざまな対策が行われています。しかし、1室の購入金額が数十億円もするような超高級ホテルの裏に保護施設が建設されることとなって物議を醸しており、この大都市が抱える闇が浮き彫りになってきています。

 

ホームレス税で賛否両論! サンフランシスコ

ニューヨークの中心地と同じくらい高騰している住居費が問題化しているのが、カリフォルニア州サンフランシスコ。AmazonやGoogleといった世界を牽引するIT企業が拠点とする都市のため、自然と住民の平均的な収入も高額になる傾向にあります。そして、それとともに住居費用などの生活費も高額化し、平均家賃は月額3579ドルと全米でも2位の高さ。世帯年収が11万7400ドル(約1300万円)でも低収入に分類されるそう。そのため、家を失い路上生活を余儀なくされているホームレスも増えていっているようです。

 

そんなホームレスへの保護施設や家賃補助などの施策のために、年間5000万ドル以上の収益がある企業については、ホームレス税の支払いを求めるという法案が2018年に可決されています。しかし、この法案が可決される前には、Twitterの経営者などが、課税によって企業がサンフランシスコから去ってしまうという理由で猛反対し、禍根を残しました。

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